ロンパリ!考える椅子
川柳的逍遥 人の世の一家言
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西郷どんー③
ルールとは別に女の変化球 美馬りゅうこ
天璋院篤姫
「西郷どんー③」
篤姫
篤姫
の将軍・
家定
への輿入れは、まさに政略以外の何ものでもなかった。
薩摩の
島津斉彬
は
水戸斉昭
、
阿部正弘
らと結んで、
ペリー
の黒船来航で
混迷を深める事態の克服には英明な将軍こそ重要、として斉昭の息子で
よしのぶ
ある
一橋慶喜
を家定の後継者の座に据えようと運動していた。
それには、大奥の懐柔が急務だった。
遠い目だ心はここにないようだ 柴田桂子
一方、家定の公家出身の2人の御台所はいずれも早死にしたため、家定の
実母・
本寿院
は、家定の祖父・家斉が島津氏から迎えた御台所・茂姫が
あやか
長
寿だったことに肖りたいとして、島津氏の姫を望んだことがあった。
ところが斉彬の姫は早世していたため、断わった経緯があった。
ただたけ
だが、将軍後継者問題がクローズアップされると、斉彬は支族の
島津忠剛
の娘・
篤姫
を養女にし、大奥に入れる機会をねらった。
言うにいわれぬものまで飲み込んだ喉だ 竹内ゆみこ
ところが、島津の姫を望んだ本寿院は、今度は大反対した。
なぜなら、斉彬が篤姫を大奥に送り込もうとするのは、大奥を懐柔し慶喜
を
将軍にする企みを知ったからだ。
大奥は経費削減を口うるさく唱える水戸斉昭
に嫌悪感を抱いており、
斉昭の息子が将軍になるなど真っ平だった。
しかも本寿院は、息子・家定の後継者は同じ血が流れる紀州家の者がいい
と思うようになっていた。
かさぶたを剥がせばルーツ匂いだす 田口和代
13代将軍 徳川家定
ここで
家定
について少し見てみよう。
篤姫を正室に迎えたときの家定の年齢は33歳である。
家定はそれまでに、
正室を2人迎えていたが、相次いで先立たれている。
1人は関白
鷹司政通
の養女・
任子
と1
人は関白
一条忠香
の14女・
秀子
である。家定とこの2人の正室に子はいない。
しかも側室らとの間にも子が
いなかった。不能だったのだろうか。
そもそも家定は病身であったされる。
一説によれば、先天性あるいは幼少時に患った天然痘が原因で脳性マヒ
を負っていたという。実際、顔には天然痘の痕が残り、
顔筋の痙攣や首の
不随意運動などが見られた。
成人になってからの家定は自らの容姿を恥ず
かしく思ってのことか、
人と接することを避けていた。
そしてうつ病にもなっていく。
枯れススキですから月はお友達 くんじろう
こうした中で、篤姫は老中・阿部正弘の尽力で輿入れしたが、
大奥は篤姫
にそっぽを向き、慶喜擁立の工作は進まず、しかも幕閣の要の
阿部正弘が病没
すると、大老の
井伊直弼
の力が強くなり、
よしとみ
大奥と結んだ直弼は紀州の慶福
を跡継ぎに指名した。
そんな最中に夫の将軍・家定に続き、頼みの斉彬までが逝去する。
篤姫はさらに孤立した。
しかし、慶福は家定の養子となり14代将軍・
家茂
と
なると、
落飾し
天璋院
となった篤姫は、はからずも家茂の母として敬われ、
家茂も天璋院篤姫を慕い、おのずと大奥での実験を握ることになった。
しかし、江戸城無血開城へと繋がる篤姫のその後には、
まだまだ困難が
待ち受けていた。(話は後半へ和宮と出てきます。)
入口がなくて出口が一つある 河村啓子
「付録」
1、
大河ドラマ「西郷どん」12話で大地震
(安政)
が起き、西郷は篤姫の
部
屋にかけつけ姫を助けた。斉彬の命により西郷が準備した輿入れの道具
は
ぐちゃぐちゃに壊され、すべてが瀕死の状態。
そんな中、2人の間に流れた
空気は恋を匂わせるものだった。
当時、斉彬の命を受け大奥工作に奔走していた西郷は、篤姫付きの老女・
幾島
へ斉彬からの命を伝える一方、幾島から大奥の情報を入手して斉彬に
報告をした。幾島は江戸と京都の事情に詳しく、薩摩育ちの篤姫の教育係
に抜擢されたが、斉彬の密命で大奥にて本寿院や
上臈歌橋局
に働き
かけ、
おのしま
家定を斉彬の意に動かそうとしたのである。また幾島の下には
小の島
という老女が仕えており、この小の島も、情報伝達の任にあたっていた。
すなわち西郷と篤姫の間には、幾島がおり小の島がおり、西郷が篤姫と
密接な関係になれる環境にはないのである。
相関図握り拳でかきまぜる 久恒邦子
2、
1854年に
ペリー
が2度目の来航をした時に、将軍家にミシンを送った。
そのミシンを日本で最初に扱ったのが、天璋院だといわれている。
3、
篤姫は犬好きで狆を数匹飼っていたが、家定が大の犬嫌いだった為、
ペットは猫に変えた。その際、猫の世話をする係3名の人件費を含む猫に
かかった
費用は、年間25両
(約250万)
になったという。
あんたの事はシワの数まで知っとるよ 森田律子
[3回]
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y2018/04/26 18:10 z
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