- 2016/07/02
- Category : ポエム&川柳
秀吉の仮装大会
仮装大会の模様を描いた絵本太閤記
菅笠をかぶり、腰蓑を着ける男性(中央)が秀吉。
「瓜売りが瓜売りに来て瓜売れず、売り売り帰る瓜売りの声」
「仮装の歴史」
仮装大会の歴史を探ってみれば、400年ほど前の文禄元年(1592)、
肥前名護屋城で豊臣秀吉が催した「仮想大会」に行きつく。
これは、今のディズニーやハロウインの仮装パレードのようなもので、
当時は、桟敷席を設けて大名たちや博多大商人などを見物人に仕立てて
やったという。
今では、欽ちゃんと香取慎吾の全日本仮装大賞や京都時代祭りが有名だが、
「文禄の役」の最中、前線基地を構えた肥前名護屋城そばの瓜畑で、
秀吉が開いた仮装大会が先例となっている。
甲冑を脱ぐと人情交叉する 上田 仁
司馬遼太郎の「新史太閤記」に、
「つれづれのあまり、諸大名や女官をあつめて仮装大会を催した。
諸事、企画のすきな男なのである」
と秀吉のこの催しに触れている。
また「絵本太閤記」には、蒲生氏郷、前田利家の仮装がこの絵本に登場。
おぜほあん
小瀬甫庵・著「太閤記」では徳川家康の「ザル売り」が紹介されている。
なぜこんな催しをしたのだろうか。
絵本太閤記には仮装の時に、
ございじん
「名護屋の御在陣も徒然におはしませば」
とあり、城の陣中はさぞ退屈な時間が多かったのだろう。
トゲのないバラと一日戯れる 百々寿子
江戸の手ぬぐい (拡大してご覧ください)
どのような仮装大会であったのか、かいつまんで見ると。
「味よし瓜めされ候へ~「おいしい瓜はいらんかいねー」
「瓜売り」になった秀吉は、もと百姓の経験があり堂にいったもの。
そこで旅の僧に扮した織田有楽斎が、秀吉の売り瓜に
「瓜をご寄進下され」と請うと、瓜売りは瓜を二つ施した。
「こっちは熟しておらぬ。熟した物を下され」
と有楽斎がアドリブでコトバを返すと見物客は大受けしていたという。
路茶売りに扮したのは、蒲生氏郷である。
「極上のお点前にありますれば」 とやれば、
そこへ瓜売りの秀吉が、「ほほう、で、お代はなんぼじゃ」
茶売りの氏郷は、「100両でございます」
と、ここでも有楽斎に負けじと氏郷のアドリブが飛び出す。
瓜売り(秀吉)は開いた口が塞がらなかったようだ。
青梅のすってんころり祭りめく 斉藤和子
「あじかはいらんかね~いらんかね~」
この声は、「あじか売り」に扮した徳川家康。
家康の物真似は、本職はだしだったとベタ褒めで記録されている。
丹羽秀俊は「漬物売り」、「お漬物いかがっすかぁ~」
織田信雄は「修行僧」、「ナンマイダーゴジュウマイダー チーン♪」
「高野聖」の前田利家、「大仏建立の勧進お願いしゃーす」
この仮装大会で一番受けたのが、
巨体の前田玄以が扮した、「比丘尼姿の女装」だった。
「念仏をただとなえていれば必ず仏になれる」
と説法の声まで、「おねえ喋り」で髭の大男がやるものだから、
秀吉や五大老はじめ、名だたる将や見物客は笑い転げたという。
そして歌舞伎ものの伊達政宗は、桟敷席で見物客の一人になった。
正宗は正宗らしく、やんややんやの野次を入れて盛り上げた大会であった。
水で酔えるのも血液型のせい 井上一筒
この頃、秀吉は朝鮮での戦果を待つ間、茶や能にも親しんでいる。
「ほかにも何か面白いことを、と考えるのは不思議ではない。
秀吉はもともと庶民の出。
昔の自分を懐かしむと同時に、武家育ちの家臣が、
ぎこちなく庶民のまねをする様子をひたすら楽しんだのでしょう」
と解説されるのは大阪城天守閣研究主幹・北川央氏。
いかにも、遊興好きの秀吉らしい知恵といえそうだ。
そして神戸大教授の油井清光氏は、
「普段、人は上司と部下の立場を意識するものだが、
肩書を外した『無礼講』という非日常を一緒に経験すると、
互いに連帯感が強まる。
中だるみしていた自軍の結束を強めようとしたのでは」
と想像する。
雨季限定軽い頭をさし上げる 河村啓子
時代祭りの行列
因みに、秀吉時代の行列(当該写真)は、
秀吉の嫡男・秀頼の元服の報告に御所へ参内する様子。
「京都時代祭り」
「京都時代祭」は、平安時代から明治維新までの各時代の装束に扮し、
道中4.5kmをパレードする。
先頭から最後尾まで2kmにわたる長大なものとなる。
祭礼は、まず午前中に平安神宮より神幸列が京都御苑に到着し、
「行在所祭」の後、正午ころから「ピーヒャーラドンドンドン」という
維新勤王隊の鼓笛隊のマーチとともに、仮装の行列行進が始まる。
総勢2千人と多数の牛馬が、京都御所の建礼門前を順次出発し、
京都御苑の堺町御門をくぐりぬけ、烏丸丸太町~烏丸御池と南に進む。
次に、河原町御池~河原町三条~京阪三条~三条神宮道と西に進み、
最後に神宮道~平安神宮へと向かう。
先頭が平安神宮に到着するまで三時間はかかるとか。
ガタンゴトン単線謳うトロッコ列車 小林満寿夫
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