ロンパリ!考える椅子
川柳的逍遥 人の世の一家言
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遮那王
太刀風に木の葉を散らす御曹司 古川柳
義経
は、牛若丸時代
(
遮那王
)
、
清盛の命令で、
「僧侶になるよう」
、
京都の鞍馬寺に預けられたものの、
仏道の修行はそっちのけで、
木の葉天狗を相手に、剣術の稽古に熱中した。
そして、洛中に出ては腕試しをしていた。
鞍馬から夜な夜な通う五条橋 古川柳
その時の牛若は、
鳥の尾がピンと立ったような髪形
(跳ね元結)
で、
足下は高歯の下駄という出で立ちである。
牛若はどこへ行くのも足駄がけ 古川柳
また、少年とはいえ、腰には長刀二本しめていた。
いつもの橋の上で、たまたま肩を触れ合った相手に、
「無調法者!」
と言って、
振り向くと鋸、斧、槌など七つ道具で、
完璧に身を固めた武蔵坊弁慶であった。
武蔵坊とかく支度に手間取られ 古川柳
弁慶は比叡山延暦寺の僧兵崩れで、
比叡山と三井寺が争ったとき、
三井寺の梵鐘を取り降ろして、
比叡山まで担ぎ上げたという、
前代未聞の大怪力の持ち主である。
弁慶が悪さで刻が知れぬ也 古川柳
牛若はそんなすごい相手とも知らず、
決闘を始めたのである。
七つ道具を取っ替え引っ替え使用し、
猛然と攻めてくる弁慶。
一方、牛若は橋の欄干を、
前後左右、東西南北、上中下と、
身をかわして弁慶を翻弄する。
これにはさすがの弁慶も疲れ果て、
足腰が立たず降参し、
その場で牛若の家来になった。
その明日橋の欄干傷だらけ 古川柳
またこのころ、強盗専門の熊坂長範を退治たという話もある。
熊坂の一派は訓練された組織で、
美濃の青墓では、
金銀を満載した荷車を狙っていることを知った牛若は、
彼らを待ち伏せ根こそぎ退治した。
熊坂もついに(普段)覚えぬ胸騒ぎ 古川柳
まもなく牛若は、
「黄金花咲く奥州へ行こう」
と、
黄金商人の
吉次信高
に誘われ、
鞍馬を飛び出し、奥州平泉の
藤原秀衡
の元へ向かう。
出発一日目に鏡の宿に着き、
自ら前髪を落として
「源九郎義経」
と名乗った。
牛若は腹っぷくれと連れになり 古川柳
平泉では奥州の王者・藤原秀衡の客人として、
多感な青春時代を過ごし、
兄の
頼朝
が、
平氏を打つために兵を立ち上げたことを知ると、
弁慶・忠信兄弟
など引き連れて、
300騎余りの兵と共に頼朝のもとへ向かった。
鵯(ひよどり)の道をば鷲がよく教え 古川柳
こうして「鵯越え伝説」へとなっていくのである。
鞍馬山探訪へ
義経跳び移る油から油 井上一筒
[4回]
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y2012/10/07 09:30 z
CATEGORY[ポエム&川柳]
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