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川柳的逍遥 人の世の一家言
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葛飾北斎画 うさぎ




                     
                  
                      
                      令和五年元旦




『江戸小咄』 


≪ 笑い締め     弁天さま ≫
年の暮れになって金に詰まった男が、上野の弁天さまへ7日7晩おこも
りをし「どうぞお金を恵んでください」と、一心に拝んだ。
そして、7晩目の明け方、弁天さまが内陣の御簾をあけ、
白い紙を一枚もって出てこられた。
男はいよいよ大願成就と、胸をおどらせ
「もし弁天さま、わたしはここにおります」
と裾を引けば、弁天さまは眉をひそめて、
「まあ、いやらしい、あたし、はばかりへ行くのよ!」



≪  笑い初め  書初め ≫
不器用な息子が書初めに≪松竹≫と書き、
それを大いに自慢して、方々に見せてまわったが、誰も褒めない。
そこで餅屋は餅屋だと思って、年始に来た出入りの植木屋に見せると、
<松>の字をひどくほめた。 それを聞いた父親は、
「だが、竹のほうがよくできていると思うのだが」 
と言えば、植木屋は、
「いや、そうじゃない。松もこのくらいひねっこびて、ゆがんでくると、
 百両がものはありますからね」


 
      
       




【北斎画】一重、二重、三重と三つの『和(輪)が重なるように描いた、
縁起のよいうさぎ。
皆様にとって令和五年も良い年でありますように。

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