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川柳的逍遥 人の世の一家言
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ようやく咲いた朝顔の裏話  山本昌乃

              幕 府 陸 軍

「西郷どん」
 第二次長州征伐
誰もが不可能だと考えていた「薩長同盟」を実現させたのは、
坂本龍馬が考えた奇策であった。
それは武器が買えない長州藩に代わり、
龍馬が経営している亀山社中が、薩摩名義で武器を購入する。
そして米が不足していた薩摩藩へは、長州から米を納入する。
というものだ。
どちらの藩にとってもメリットのある策であるが、
当初はお互いに面子を重んじるばかりで、話が頓挫しそうになった。
削除してくださいゆうべ言ったこと  阪本こみ

だが龍馬と中岡慎太郎による和解工作が功を奏し、慶応2年1月21日、
小松帯刀邸において西郷と桂小五郎の会談が実現することとなる。
その正月、桂は同盟締結交渉のため上洛した。
西郷は、桂をもてなしたものの、薩摩藩の優位を保ちつつ、同盟交渉を
進展させるため、肝心な話を切り出さないまま、数日の時が流れた。
だが龍馬から「薩摩藩から同盟を切り出すべきだ」と説得されると、
西郷は薩摩藩優位な条件という路線を放棄し、対等な条件での
同盟締結を提案した。
その結果、武力討幕を視野に入れた薩長同盟が締結された。
同盟の効果はすぐに現れた。
喉から手が出るほど欲しかった新式の銃と蒸気船が薩摩から
亀山社中経由で入ってきた。
しゃきっとせん男に贈るネジ回し  岸田万彩
「同盟と武器」それが自信となり、長州は以前にも増して幕府との
対決姿勢を鮮明に表すようになってきた。
こうした長州の態度に憤懣が収まらない一橋慶喜は、
再び征討軍を編成することを決め諸藩に通達した。
ところが頼みにしていた薩摩は、出兵を拒否してきたのだ。
これは薩長同盟による既定路線であったが、慶喜は困惑した。
だが、幕府の面子に於て、長州をこのままにしておくわけにはいかない。
慶喜は薩摩抜きで軍を編成した。
それでも15万もの兵力を集めたのである。
これに対して長州軍は、わずか3500人程度である。
この兵力差から慶喜は、それほど苦労なく勝利できると確信していた。
ところが動員された諸藩の兵たちは、この戦いは自分たちの利害とは
まったく関係ないものと考えていたため、兵士の士気は甚だ低かった。
加えて長年の平和が、戦争の戦い方を知らない者ばかりにしていた。
操りの糸がもつれて時雨くる  桑原伸吉
一方寡兵だが長州軍は、大村益次郎により軍制も西洋式に改革され、
しかも、四方から押し寄せる大軍の攻撃に備えるには、
従来の武士だけでなく農民、町人階級から組織される市民軍の
確立が急務と大村は考えた。
その給与を藩が負担し、併せて兵士として基本的訓練を行わなければ
ならないと訴えた。
こうしてそれまでは有志によって構成されていた諸隊を整理統合し
藩の統制下に組み入れた。
朗報は春の小川になりました  美馬りゅうこ
慶応2年(1866)6月7日、慶喜は第二次長州征伐の開始を号令。
戦いの火蓋は切って落とされた。
長州は最新の武器と巧妙な用兵術を縦横に活用。
それは無駄な攻撃を避け、相手が自滅に陥ったところを攻撃するという
合理的なもので、旧態依然とした幕府側をことごとく撃破した。
長州軍が優勢に戦いを進め、幕府にとっては予想外の苦戦が続くなか、
さらなる不幸に見舞われる。
長州征伐に大坂までやって来ていた将軍・徳川家茂が病に倒れ
7月20日に薨去したのである。
8月1日、小倉城が陥落すると、慶喜はこの戦いにおける勝利は断念。
それまで伏せていた将軍家茂の死を公表するとともに、
勝海舟を派遣して講和を結んだ。
長州征伐が失敗に終わったことは、
幕府がすでに張り子の虎になったことを知らしめた。
幕引きをせよとささやく影法師  上田 仁

「薩長同盟」の画像検索結果
透けて見える裏の赤字は、龍馬が6ヶ条の内容を保証する裏書。

【付録】
 薩長同盟6ヵ条
 長州藩が幕府と戦争になった場合には、薩摩藩がすぐさま2千余の
  兵を差し上らせ、在京の兵と合し、大坂へも千人ほど配置して、
       京坂両所を固める。
 もし長州藩が勝利する形勢になった場合、朝廷に進言して必ず調停に
        尽力する。
 万一長州藩が負けた場合にも、半年や一年で壊滅するようなことは
       決してないはずであるから、その間も必ず尽力する。
 このまま幕府軍が東帰した場合には、薩摩はすぐさま朝廷から長州藩
       の冤罪を免ずる運びになるように尽力する。
 一橋・会津・桑名などが朝廷を擁して薩摩の周旋の道を遮る場合には
       ついに決戦に及ぶ他はないものとする。
 長州藩の冤罪御免しが得られた場合、薩長双方は誠意をもって力を合せ、
       皇国のために砕身尽力する。
       勝敗いずれの場合も、今日から双方が皇国の皇威が輝き、
       回復に至るのを目標に誠心誠意一致協力する。
大きな虹だ誰の企みだ  居谷真理子

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