ドドーンと花火ぼくを笑ってくれないか 立蔵信子 淀川花火の日の明と暗 まもなく打ちあがります 「タマヤー! 鍵ヤー!」
江戸時代・川柳が誕生した文化・文政の頃(1800年頃)に、
「両国の川開き」で、玉屋と鍵屋が競って、 花火を上げていた。
これが、「東京・隅田川花火大会」の原型である。 帯に下駄淀川花火の忘れもの 幸松キサ
江戸の様々な風俗を記した、 「守貞漫稿」(もりさだまんこう)という、当時の随筆に、 小舟の上で花火を打ち上げる人を、 描いた絵が載っている。
当時の花火は、練った火薬玉をアシの筒につめて、
火の玉を飛び出させる方式だった。
花火師が火花を散らす夏の陣 ふじのひろし
両国橋を境に、上流側は、「玉屋」が、 下流側には、「鍵屋」が陣取った。
ただ、玉屋は失火事故を起こし、一代で江戸を追放される。
30余年の活動だった。
一方、ライバルの鍵屋は、東京江戸川区で、 今も、「宗家花火鍵屋」として、 現在15代目が元気に頑張っている。
タマヤ―と江戸の花火は祭り好き 松本あやこ
ところが、平成になっても、上の川柳のように、 かけ声というと、「タマヤ―」の印象が強い。
当時は、玉屋の人気が圧倒的だったらしい。
”橋の上 玉屋玉屋の声ばかり なぜに鍵屋といわぬ情なし”
という狂歌もある。
情(錠)がないから、鍵屋と言わない、というココロだろう。
(折りしも、今年は東北震災のため、隅田川花火は延期になった)
ねずみ花火を首筋に入れる刑 井上一筒
「平成23年8月6日・淀川花火大会写真集」 五連発で始まった花火の饗宴 花火師の構図夜空を画布にする 吉村雅文 花火見上げる赤い顔・青い顔 音だけの花火都会のビルで聞く 杉本克子 約一時間のドラマのど真ん中 花火師の魔法に嵌まるつもりです 井丸昌紀 華やかに儚く花が咲き乱れ 花火ドカン知らんオバンに抱きつかれ 北川ヤギエ 目を凝らして見ればキティやUFO 線香花火はしゃいで姉の顔になる 桑原伸吉 一発の花火が落ちるてくるまで 隙のない花火で仲間になどできぬ たむらあきこ 山下清の絵のような 花火大きくちいさく山下清描く 森中惠美子 クライマックス 線香花火ボトンと恋をあきらめる 本多洋子 フィナーレ この花火終わるとあしたから他人 泉水冴子
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