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川柳的逍遥 人の世の一家言
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あと戻りできないことを知っている  たむらあきこ

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淀古城の石碑がある妙教寺

天正17年(1589)5月27日、淀は淀城で男児を出産した。

53歳にして、初めて我が子を得た秀吉は大喜びで、

捨て子は、よく育つとの俗信から「棄(捨)」と名付け、

まもなく「鶴松」と呼ぶようになった。

その年8月23日、母子は大坂城へ移った。

出来たての名前をもらう新生児  中野六助

多くの側室を差し置いて、

淀殿だけが男児を授かったことに,、疑問を持つ人は少なくなかった。

「彼には、唯一人の息子(鶴松)がいるだけであったが、

  多くの者は、もとより彼には子種がなく、

  子供をつくる体質を欠いているから、

  その息子は、彼の子供ではないと密かに信じていた」 

、『フロイス日本史』にも、書かれている。

臍の緒を切ったナイフは他人です  岩根彰子

出産の3ヶ月前の2月25日の夜には、

聚楽第の表門に、淀殿の懐妊を揶揄する内容の落首が、

貼り出される事件が起った。

これを知った秀吉は激怒して、

門番の者たちを、残虐きわまる方法で処刑し、

多くの人々が死刑となった。

どくだみの花来し方は生乾き  嶋澤喜八郎

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 秀吉が配った天正大判

秀吉は、同年5月20日に、

聚楽第で淀殿の懐妊を正式に披露し、

多くの金銀を諸大名、寺社に分配した。

史上有名な「金賦り(きんくばり)」で、

秀吉は、自らの実子誕生の前祝いを、盛大に演出した。

魂をあげるラッピングは不要  須田さゆり

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豊臣家において揺るぎない地位を確立した淀殿は、

この年の12月、

高野山小坂坊(持明院)において父・長政の17回忌、

母・お市の方の7回忌の法要を営み、

2人の肖像画を奉納している。

やっと交わる私の中の平行線  合田瑠美子

大河ドラマ・「お江」-第22回・「父母の肖像」 あらすじ

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々(宮沢りえ)が懐妊し、

上機嫌で天正17(1589)年を迎えた秀吉(岸谷五朗)は、

秀長(袴田吉彦)に、京と大坂を結ぶ要所にある,

淀城の改築を命じる。

なんとその城を、茶々の「産所」にしようというのだ。

しばらくして、大坂城の茶々を訪ねた秀吉は、

城を用意することを彼女に伝え、

「そなたとややのためならなんでもする」

と約束。

二の腕に今日はお陽さま乗せてゆく  前中知栄

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また、生まれてくるのは男子だと決めつけ、

早くも男の子が使う玩具などを、大量に持ち込む。

その様子を見ていた江(上野樹里)は、

「子を授かっただけでもありがたく思うべき」

とあきれ顔。

時々は横に流れることにする  山本早苗

しかし、茶々は気にすることもなく、逆に真剣な表情で宣言する。

「私は男の子を産む」

さらに秀吉に、

「もし男子を産んだら聞き届けてほしい願いがある」

と訴える。

秀吉は、「なんでも聞いてやろう」 とえびす顔。

同席していた三成(萩原聖人)が願いの内容を尋ねるが、

その問いに、彼女は答えなかった。

スポットライトでさらす神経線維  岩田多佳子

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やがて茶々は、出産に備え、立派になった淀城へ。

そして5月の末、

城の名にちなみ”淀殿”と呼ばれるようになっていた彼女は、

いよいよ産気づく。

秀吉と江は、心配でしかたがないが何もできず、

ただ淀の産室の前をうろうろするばかり。

たまらず江が産室に入ろうとすると、

秀吉は彼女の着物の裾をつかみ、

「わしを1人にしないでくれ」

と懇願する。

腹括る紐が見当たらないのです  高橋謡子

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彼はもう、関白でも天下人でもなく、

不安の中で我が子の誕生を待つ、1人の男にすぎなかった。  

と、そのとき、元気な産声が聞えてくる。

淀が無事に子を産んだのだ。

しかもそれは、秀吉待望の跡継ぎ。

そう、彼女自身も強く望んだ男子だった。

少年のまんまで物を言っている  籠島恵子

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淀が産んだ子を”鶴松”と名付け、

新たな活力源とした秀吉は、

ついに最後の強敵、小田原の「北条攻め」に乗り出す。

だが、一応戦の大義名分は立てたものの、

秀吉はこの戦いを「鶴松のため」と言ってはばからない。

その態度は、大胆な行動力の裏に、

いつも万全の心配りがあった彼らしくない、

露骨なものだった。

赤児を洗う 月の盥で  こはらとしこ

実は、かつて秀吉は、まだ淀のお腹の中にいた鶴松を、

揶揄する落首に激高し、

落首を許した門番など、

数十人を死罪にするという苛烈な処分も下していた。

鶴松誕生は、豊臣家にとって、これ以上ない慶事だが、

子を思うあまり、秀吉の心には、不穏な偏りが生じていたのだ・・・。

蒼天の中でまさかを渡される  斉藤和子

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「お江ーこれからの見どころ」

いよいよお待ち兼ね、現在、№1人気の向井理くんが登場する。

役柄は、家康(北大路欣也)の三男・竹千代、そして、

お江の最後の夫となる、2代目将軍・秀忠である。

りりしい向井秀忠は、明晰な頭脳を持ちながら、

心に屈折を抱える若者として登場し、

まっすぐな性格で、気が強いお江と、衝突を繰り返す。

ここのところ、低迷気味の「NHK/お江」の視聴率に、

向井理(むかいおさむ)くんが、救世主となりえるか?


罪ほろぼしへ時々つかみ洗いする  山本昌乃

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