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川柳的逍遥 人の世の一家言
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夫の無能力化は着々と進む  井上一筒 

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光射す琵琶湖・近江と竹生島   

「小谷城落城」

全国の山城のなかでも、屈指の名城といわれた小谷城は、

小谷山の頂上から下ってきたところの、稜線に築かれている。

居館はもともと麓の清水谷にあったが、戦乱が激しくなって、

山上に女たちまで住める、

居館まで備えた「小谷城」ができたのである。

近江路を今も見ている伊吹山  武智三成

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右から、御茶屋、御馬屋、桜馬場、大広間、赤尾屋敷、本丸、堀切、

     中丸、京極丸、小丸、山王丸


山上の大手口にあたるところに、番所があり、

そこから少し上がった江戸時代に、「桜馬場」と呼ばれたあたりからは、

湖北一帯を眼下に見下ろすことができ、信長の本陣があった「虎御前山」がすぐ下に、

その向うに琵琶湖が拡がり、「霊所・竹生島」が可愛らしい姿を見せ、

遠く湖西の山々も、見渡すことができる。

そこからさらに上がって行くと、

山上の「御殿の跡」と言われる場所や「本丸」がある。

(天守閣にあたる建物があったかどうかは不明)

思い出のシーンを溜め込んだ枕  河津寅次郎

「小谷城落城」のきっかけになったのは、

清水谷から密かに水手口を上がってきた木下藤吉郎が、

内応する者の手引きで、本丸の背後の「京極丸」を占領したことにある。

この城が、このような攻撃を想定して、

「設計されていない」 
ことを見抜いた藤吉郎が、

奥にあった「小丸」浅井久政と、

本丸の浅井長政との「連絡道」を、遮断してしまったのである。

8月29日、祖父の久政が自刃。

ついで、織田信長自ら本丸を攻撃され、

9月1日長政も、本丸の横にある「赤尾屋敷」で自刃した。

魂だけ残してみんな捨ててゆく  前たもつ

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三姉妹と、お市がどうやって脱出したのか、

茶々5歳、は4歳、お江は生れたばかりだった。

先に長政の姉が、住職をつとめる実幸院という尼寺に、

匿われていたという説もあり、

藤掛永勝という、織田家から、お市の方の嫁入りについてきた者が、

先導したともいう。

前もって、逃がされていた兄の万福丸は、わずか10歳の若さで、

関が原で信長の命令を受けた藤吉郎によって、磔にされ、

又残酷にも、長政の母(井口阿古)は、

関が原で指を1本ずつ切り落とされ、刑死させられた。

こうして小谷城は落城し、浅井家は滅亡する。

井戸水が涸れて幽霊干からびる  小谷竜一

三姉妹は、信長弟の津城主・織田信包(のぶかね)方の世話になることになる。

信長としても、妹のお市の方と、顔を合わせるのは気まずいので、

そのように手配したのだろう。

小谷城はとりあえず、木下藤吉郎あらため、羽柴秀吉のものになるが、

まもなく秀吉は、すぐに長浜に新城を築いて移り、

5年後には、「破城」が命じられ、

石垣なども、すぐには補修して使えないように崩されてしまった。

知らぬ間にずれてしまった砂の城  田原喜久美

小谷城落城天正元年(1573)9月から、

「本能寺の変」の天正10年(1582)6月2日までの、おおよそ10年間、

お市と三姉妹が、どこで過ごしていたのかについては、確かな記録は残されていない。

≪信包の居城である伊勢上野城にずっといた、清洲、岐阜、安土のどこかに移った。

 などの説があるが、あくまでも推測である≫

古里を聞かれ流浪の民と言う  奥田みつ子

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大河ドラマ『お江』-第一回・「湖国の姫」-あらすじ

力ある者たちが、領土拡大や天下取りのため、

血で血を洗う戦を繰り広げた戦国時代。

尾張の風雲児・織田信長(豊川悦司)は、

近江の戦国大名、浅井(あざい)長政(時任三郎)に、

妹の市(鈴木保奈美)を嫁がせて同盟を締結。

京への道を開き、天下統一への動きを加速した。

しかし、野望を隠さない信長に、各勢力が反発。

長政も、大恩ある越前の朝倉氏が信長の攻撃を受けるに至って、

義兄に背くことを決断する。

けじめつけ無くした物の多かりし  籠島恵子

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それは、市にとって身を裂かれるような事態だった。

織田家に命を捧げる覚悟で浅井家に嫁いだ彼女だったが、

長政の妻として、茶々(芦田愛菜)、初(奥田いろは)という、

愛らしい姫たちと生きる日々が、その心を変えてしまっていたのだ。

市の苦悩をよそに、織田と浅井は全面戦争に突入。

居城・小谷城にこもる長政は、徐々に追い詰められ、

誰の目にも落城は間近と思われた。

そんな中、市は自分の体の異変に気づく。

子を身ごもったのだ。

薄靄にこんな所で囲まれる  森 廣子

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城が落ちれば自分は死ぬ身。

どうせ助からないならばと、

彼女は毒を飲んでその子を堕ろそうと決意するが・・・・。

母・市が身ごもった子を堕ろそうとしていると知り、茶々は身をていして、

それを止めようとする。

有情無情かなしい腕が二本ある  森中惠美子

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