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川柳的逍遥 人の世の一家言
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白を出て白に還ってゆく命  たむらあきこ

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9月15日の決戦の日、

関が原には、東軍7万4千、西軍8万4千、

あわせて5万を超す大軍が対峙していた。

軍勢の数だけでいえば、

西軍の方が、わずかに勝っていたことが分かる。

しかも、東軍・家康方は、

西軍・三成方が待ち受ける関が原に進む形となった。

この布陣は、明らかに西軍有利であった。

三成は、「我に勝機あり」と考えていたであろう。

鬼ごっこ鬼が帰ったのも知らず  杉山ひさゆき

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 関が原三成軍・陣の跡

たしかに、

南宮山に布陣していた毛利・吉川の軍勢が動き、

「関が原中央」に押し出してきた家康本隊を攻めれば、

東軍は西軍によって、押し包まれる格好になり、

西軍の大勝利で終わった可能性があった。

笑うのに時の流れを借りている  立蔵信子

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しかし、家康は、事前の周到な根回しに、

絶対の自信を持っていた。

吉川広家との間に、

「毛利・吉川の軍勢は南宮山を動かない

との密約を交わし、

また、松尾山に布陣した小早川秀秋にも、

「途中で東軍に内応する

という約束が、取り交わされていたのである。

お手数をとらせてばかり狐面  くんじろう

戦いは、前夜来の雨もあがり、

重くたれこめていた霧が晴れだした、

午前8時ごろに始まった。

東軍の先鋒隊は福島正則で、

この福島隊と井伊直政隊が、

西軍の宇喜多秀家めがけて、鉄砲を撃ちはじめたのが、

開戦の合図となった。

麻雀もカードもずるい奴が勝つ  奥山晴生

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あとは、両軍入り乱れての戦いになったが、

毛利、吉川の軍勢が動かず、

また小早川隊も動かなかったので、

東軍の方が数が多いことになり、西軍には苦しい戦いが続いた。

午前11時頃、三成の陣所から烽火があげられた。

松尾山に陣取ったまま動かない小早川秀秋に対する、

参戦催促の烽火だったが、

小早川隊は動かなかった。

疑いを物干し竿にかけておく  山本輝美

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正午ごろ、今度は、

家康陣営から松尾山へ鉄砲が撃ちかけられた。 

「約束通り、早く寝返りせよ」

 

との催促の意味である。

秀秋自身、そのころまで

「このまま西軍として戦うべきか、東軍に寝返るべきか」

と去就を決しかねていたが、

家康からの威嚇の鉄砲に恐れをなし、

ついに意を決して山を下り、

麓に布陣していた西軍の大谷吉継隊に、

攻撃を開始したのである。 

平常心持てど波立つ着信音  淡路 弓

 

この小早川秀秋の裏切りは、

戦況推移に決定的な意味をもった。

西軍は総崩れとなり、午後3時ごろには、勝敗が決した。

西軍の総帥・石田三成は伊吹山に逃げ、

逃亡6日、ついに9月21日に捕らえられ、

本多正純に預けられた。

靭帯の切れた人から泣きなさい  井上一筒

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「エピソードー石田三成」

家康引見の朝、

三成は、門外の一畳ほどの筵の上に座らされていた。

その前を通りがかった福島正則は、 

「無益の乱を起こして、そのザマだ。いや、いい気味よ」

 

と憎しみと嫌みを込めた言葉を、三成になげかけた。

すると三成は、 

「汝を生け捕り、縄目につかせられなかったことは、天運だ」

 

と言い返した。

この天運の意味の中にある、三成の真意が

頭の少し弱い正則に、通じたのかどうか。 

梅そえてあげる鬼にも仏にも  森中惠美子

 

しばらくして、今度は、小早川秀秋が通る。

三成はその姿を見かけると、 

「汝に、二心あるを見抜けなんだは、愚かであったが、

 義を捨て人を欺いた汝は、

 武将としての恥辱を末代まで語り継がれ、

 嘲りを受けるだろう

 

と言った。

さぞ、秀秋を憎かったのであろう、語気は強かった。

そして10月1日、

小西行長、安国寺恵瓊とともに、

京の六条河原で処刑される。

影までも僕を離れていくらしい  加納美津子

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大河ドラマ「お江」・第36回-「男の覚悟」  あらすじ

家康(北大路欣也)方三成(萩原聖人)方が、

美濃・関が原で激突した大戦は、

家康方の圧勝に終わった。

しかし、3万余の兵を任されたにもかかわらず、

関が原に遅参した秀忠(向井理)にとって、

とても喜べる勝利ではなかった。

「初めての大将としてはようやった」

とねぎらう家康に対し、秀忠は、 

「そのようなことは言われたくない」

 

と言いかえす。

誰よりも彼自身が、

大将として,重大な過ちを犯したとわかっていたのだ。

水色をこぼして夏の絵が描けぬ  神野節子

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そんな折、逃亡していた三成がとらえられ、

家康、秀忠のもとに連れてこられる。

家康は、三成が戦場から離脱した理由が、

「再起を図るためであったこと」 を確かめ、 

「やはり生きておられては困る」

 

と死罪を宣告し、その場を去った。

赤は血の色白は死の色花捨てん  時実新子

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一方、秀忠は三成に歩み寄り、 

「義を通したあなたが、罪人になるのはおかしい」

 

と、素直な思いを伝える。

すると三成も心を開き、

自分の最後の願いであるとして、

秀頼(武田勝斗)淀(宮沢りえ)を守ってほしいと、

頭を下げるのだった。

わたくしの波紋を消した水澄まし  大海幸生

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一方江戸城の江(上野樹里)は、

遅参とは、「いかにも秀忠らしい」 と噴きだしてしまう。

その様子を、大姥局(加賀まりこ)に咎められるが、

とにもかくにも、夫の無事は確認でき、

戦に巻き込まれたという初(水川あさみ)

無事とわかってひと安心。

思い出し笑いを何度したことか  筒井祥文

そんな彼女を、今度は急な吐き気が襲う。

江は再びみごもっていたのだ。

同じ頃、

江のそば近くに仕える奥女中・なつ(朝倉あき)も、

子を宿していたのだ。 

突風が沈めた妬心泡立てる  斉藤和子
 

 

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