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川柳的逍遥 人の世の一家言
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食卓の上に世相が少しある  森中惠美子

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紙でつくった兵士や軍艦で紙相撲をしている絵。

戦の中にも笑いあり?

明治人のユーモアが見えてくる「百撰百笑」。

絵のうえの文章は次の通り。

『だいへいこうのじれっこみ』ー(大兵降の自劣込み)

「あまり辛気臭いときには、棚の達磨さんをちょいとおろして、

鉢巻でもさせるのだがわしらのような、

自劣多苦(じれったく)なってきた日にゃ、

鉢巻ぐらいではなかなか追い付かないから、

頭の脳天へ氷でも縛りつけて、氷袋進めと来るのだ。

ムム、これがほんとうにヒヤヒヤだ・・・・・

神よこの軍艦だけは壊れぬように満足を与え賜え・・・・・

ヅドンヅドンヅドン、あれまたぶち壊された。

こいつぁ仕方がない・・・・・

鞍馬天狗は偏平足で馬に乗る  奥山晴生

神よ今度のは壊れぬように満足を与えたまえ。

さあどうだ、ヅドンヅドンヅドンヅドン、こりゃぁロシアがったんだ。

またまたぶち壊れとは驚いたぞ。

ええままよ、壊れたものはどうせ取り返しがつかないから、

これはまぁ、他人の見ない後ろのほうへ隠しておくとして、

今度はもっと丈夫な軍艦がほしいものだといっても、

暴露(ぼうろ)製ばかりだから、弱いのももっともだが、

しかしそうなってみると、

どうしても武力(ブリキ)で作らなくちゃあとうていだめかしら。

何しろこれじゃ大兵降だ」。

ほっこりを斜めから見る一夜干し  前中知栄

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【日露戦争-日本はなぜ勝てたのか?-①ー[ もやし ] 】

いにしえより世界各国で大豆を、

食生活に取り入れているところは多いが、

大豆を、「モヤシとか納豆」にして食べたり、

「枝豆で一杯」という食生活は、日本に特徴的だ。

それだけ日本人は、大豆の利用法を知り尽くしているとも言える。

しかし、

「大豆モヤシ」は、歴史書にも残るほどの、活躍をしているのである。

そのひとつに、栄養素としての、「ビタミンCが豊富に含まれている」、

との理由がある。 

雑学も無駄ではないと信じてる  吉岡 民           

 

「ビタミンC」は、全ての動物に必要とされる栄養素だが、

人間とサルだけが 「自分の体内でそれを作れない」 のだ。

人類進化の過程での、突然変異だとも考えられている。

ビタミンCは、体内の細胞を活性化させる「不可欠の栄養素」なのだが、

人間は摂取しなければならない。 

いちじくがだらしないのは演技だろう  北村幸子   

 

日本では、味噌をはじめ豆腐、おから、そしてモヤシなど、

「大豆を使った料理」は多くある。

それらは江戸時代にも、自然に日本人の食生活に取り入れられていた。

大豆と土に真水があれば、

船の中でも三日で簡単にモヤシの栽培ができたし、

「非常用の新鮮野菜」として活躍した。

ということは、ビタミンCの補給が、

「場所を選ばず、簡単に出来た」ということである。 

色の無い部屋で増殖する茸  笠嶋恵美子     

 

食習慣として、そういう、モヤシの食べ方とか、使い方を、

知っていた日本人は、極めて賢かった。

一般に外国では大豆は、煮付けて食べるが、モヤシは食べない。

例えば、  

『日露戦争では、乃木希典を総司令官とする日本軍は、

  毎日モヤシを生産しながら進軍して、

  厳寒の地での「壊血病」をまぬがれた。

  ところが、ロシア軍の兵士たちは、次々と壊血病に倒れていった。

  日本が勝ったのも、「モヤシのおかげ」 だったのかもしれない』

  

信じれば風も優しく吹いてくる  松尾美智代

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凱旋する日本陸軍

『まさか当時、

 モヤシに、ビタミンCがあるとは思いもしなかっただろうが、

 結果的には体細胞を活性化し、

 兵隊の覇気をやしなったのである。

 「モヤシが世界史を塗り替えていった」

と言っても過言ではないだろう。

 ビタミンCは、「脳細胞をも活性化させる」 栄養素である』

振り向くとみんな大きな愛でした  牧渕富喜子

ちなみにノーベル賞学者・ボーリングは、

ビタミンCが、「I・Qを高める研究」で世界に知られた。

ビタミンCは、「頭のビタミン」とも言えるだろう。
 
日本では、平安時代に書かれた薬草本(日本最古・「本草和名」)に、

「毛也之」(モヤシ)として紹介されており、

薬用として栽培されていたようだ。 

梅干と一緒に漬けておくあんた  井上一筒     

 

また 黒豆をモヤシにして、

芽が五寸ほどの長さになったところで乾燥させ、

よく煎って服用すると、

痺れや膝の痛み、筋のひきつり等に効くと、

『和漢三才図会』(江戸時代)に記している。

南北朝時代には、楠木正成が千早城や赤坂城で籠城の際、

将兵に豆の芽を食べさせ、

「敵陣の重囲に耐えた」 という話も伝えられている。

生き物は手足が出来て躍りだす  鯉田秀紀

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