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川柳的逍遥 人の世の一家言
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ぶらんこ漕いでる 地球蹴っている  徳山泰子


 三つの貌を持つ男

「秀吉」

出自が謎に包まれている羽柴秀吉だが、

一般には天文6年(1537)尾張の農民の家に生まれたといわれる。

今川氏の家臣筋に出世した後、18歳頃から信長に小者として仕え始めた。

織田家では持ち前の才覚と努力が買われて頭角をあらわし、

組頭、足軽大将と次々出世。

天下布武を掲げる信長を支えて、近江の浅井長政攻めをはじめ、

多大な貢献を果たした。

頑張りを滴る汗が物語る  片山かずお



秀吉は気配り細やかで機転がきく切れ者ながら、

鷹揚な性格であった。


「人たらし」と評されるほど人の心を掴むのが上手く、

敵を味方にかえてしまうこともしばしばだった。

身分を問わない実力主義者の信長には特に目をかけられ、

秀吉もまた、天下人への道を歩む信長から多くのことを吸収している。

規格外だから個性というのです  山口美千代

秀吉が羽柴姓を用いるのは、永禄13年(1570)頃からで、

天正4年(1576)には中国方面軍司令官に抜擢され、

毛利氏ら強敵が跋扈する中国地方へ進軍を進めた。

播磨、但馬を平定し毛利の押さえる因幡・鳥取城を陥落させると、

天正10年4月、雌雄を決するべく、

秀吉は毛利方の清水宗治が籠る備中・高松城を包囲。

水攻めを仕掛け、毛利の大軍が後巻きするなか、

決戦に持ち込むため信長の出馬を待っていた。

一つだけシミをつけたのだなわざと  森吉留里恵


  中国大返し

その矢先の6月2日、本能寺の変。

毛利方より早く急報に接した秀吉は憔悴するが、

「謀反人の明智光秀を討てば、天下をとれる」

黒田官兵衛諭され、一念発起した。

そこで信長の死を隠したまま急遽、毛利と和睦し上方へ引返す決心をする。

秀吉はその道中、次々と軍勢を増やし、

畿内に入るころには、明智光秀軍に兵数で圧倒的な優位に立っていた。

そして6月13日、摂津と山城の境にある天王山で決戦。

光秀を破った。


大器晩成ボツボツ来てもいいですよ  田口和代


    山崎合戦

この「山崎合戦」での勝利を追い風に、

秀吉は信長の仇を討った殊勲者として織田家中での発言力を強めていく。

6月27日、秀吉は織田家の後継者を決めるための重臣会議・

「清須会議」でも主導権を握った。

そんな秀吉の台頭に不満を抱いたのが織田家筆頭家老・柴田勝家だった。

秀吉は勝家の勢力を削ぐべく、勝家の周辺人物を屈服させていく。

これを怒った勝家は、天正11年ついに出陣し、

「賤ヶ岳合戦」の火蓋を切った。


結果、秀吉子飼いの福島正則「7本槍」の活躍もあって勝家は破れ、

秀吉は実質的な後継者となった。

気障な眉毛は裏の林に捨てましょう  酒井かがり
                            のぶかつ
しかし、秀吉の強大化に危機感を覚えた織田信雄は、家康と結んで対抗。

天正12年、「小牧・長久手の戦い」が始まる。

両者は睨み合い、膠着状態が続いたのち、秀吉は本領安堵の条件で

信雄と単独講和、家康も秀吉と和解した。

やがて秀吉は「官職」でも主家の織田家を凌駕し、

その勢威に誰も異を唱えなくなると、

信長が果たせなかった天下統一に向けて動き出す。

ハイエナの名に恥じぬよう生きていく 笠嶋恵美子



そこで課題となったのは、甲信越から先の東日本の支配だった。

小牧・長久手で和解したとはいえ、

北条を撤退させ、甲信支配を拡大する徳川は依然最大の敵である。

そして、その家康を打倒する為に秀吉がぜひとも味方につけたい男がいた。

真田昌幸である。

心構えはできてるかサドンデス  吉田伸哉

「秀吉エピソード」
秀吉は「大返し」を二度成功させている。
「中国大返し」「美濃大返し」である。
二度目は天正11年4月、北近江で柴田勝家とにらみ合っていた秀吉は、
岐阜城で反旗を翻した信長三男・織田信孝を討とうと美濃に兵を進めた。
この手薄の隙をついて、勝家側の佐久間盛政が攻め込むと、
大垣城で情報をキャッチした秀吉は、直ちに軍を取って返した。
近江木之本まで52キロ、これをたった5時間で戻ったという。
鎧を身につけ、重い武具を提げ、時速10キロで走破したことになる。
マラソンの距離42・195㌔を4時間少々で走ることに置き換えれば、
どれだけ速く走ったのか想像に難くない。
神業の域を超えている。

そして神出鬼没の秀吉軍を目の当たりにした佐久間の軍勢は乱れ、
形勢は一気に秀吉側優位に動き、勝家も敗走、この戦いを制した。

もう踵返しは出来ぬ捨て台詞  上田 仁

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