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川柳的逍遥 人の世の一家言
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散髪に行く首の皮張り替えて  井上一筒

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  新政府綱領八策(複製)

慶応3年(1867)6月9日、龍馬は、長崎から京都に向かう船中、

同じ土佐藩の後藤象二郎に、

龍馬自身が構想している政治の方向、政府の形を、

”八カ条のメモ”にして示している。

それまでの後藤は、薩長に主役の座を奪われて、焦りを感じていた。

起死回生のプランをひねろうにも、思い浮かばない。

そこへ龍馬の示したメモは、

”後藤にとってじつに、魅力的なアイデアだった。”

そして、それを読んだ後藤は、

「主君・容堂も十分納得し、また、幕末の政局を大きく動かせる」

と、大いに興奮した。

そのメモが、『船中八策』 と言われるものである。

あさってがくっきり見える窓の位置  清水すみれ

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薩土盟約会談に薩摩側から出席した大久保利通

後藤は京都に入るや、藩の重役に、八条に示す「大政奉還論」を説く。

結果、土佐の藩論は、一気に大政奉還論へと傾き、

同月22日、薩摩藩とのあいだで会議(薩土盟約会談)が開かれ、

ここで大政奉還論が、両藩のなかで合意事項となる。

当初、薩摩は、大政奉還に難色を示したが、後藤らは、

小松帯刀、西郷隆盛、大久保利通、らを説得。

当時の状況としては、

薩摩も大政奉還を呑んだ方が、ベターと考えたのである。

渡りきれば橋も味方の貌になる  徳岡潤人

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土佐藩側の出席者、岡本健三郎(右)と佐々木高行(左)は詳細な議事録を残す

いかに、第二次長州征伐で、幕府軍が敗退したとはいえ、

その後、幕府軍は将軍・慶喜のもと、急速に近代化を図っていた。

薩摩・長州・土佐らが連合軍を結成しても、

勝算は確かなものではなかった。

そこで、薩摩は、大政奉還を容認したのである。

この流れに好機と見た龍馬は、武力倒幕派である中岡慎太郎を説き伏せ、

さらに25日には、岩倉具視にも、大政奉還を説いている。

大政奉還論は、京都にあって一気に浮上、

後藤象二郎は主君・山内容堂に進言すべく、土佐へ帰国する。

”そのとき龍馬は、最後の仕事にかかる後藤を見送っている”

抱きとめてくれるだろうか跳んでみる  前田咲二

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そして、この「船中八策」は、山内容堂から

”建白”
の形で、慶喜に示された。

慶喜の方でも、朝廷の方から、

「委任をやめる」 

と言い出す前に、

「何らかの手を打たねばならない」 

と考えていたので、この大政奉還を一つの手として、受け入れることにした。

それはまた、

「薩長と土佐藩とを、分断することにもなるし、薩長の討幕の口実を、封ずることにもなる」

と、考えたからでもあった。

三コマ目に粋な鍵を添えておく  岩田多佳子

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「船中八策とは」

≪この船中八策という名前は、後年、明治の文筆家・坂崎紫瀾がつけたといわれる≫

第一義 天下有名の人材を招致し、顧問に備う』 とは、

 「身分所属に関わらず、すぐれた人材登用すべきである」 ということで、

 その基本には、”言路洞開”(げんろどうかい)、

 すなわち、「よい意見がある場合には、上申すべし」 と解析される。

第二義 有材の諸侯を撰用し、朝廷の官爵を賜ひ、現今、有名無実の官を除く』

 ”有名無実の官を除く”

 
という思想も新しいもので、既存の官僚機構、つまり、

 「幕藩体制の基本的な仕組みを、新たに構築し直す」

 ということを語っている。

第三義 外国の交際を議定ス』 

 外国との交際を議会によって決め、新たに妥当な条約を結ぶこと。

第四義 律令を撰し新に無窮の大典を定む・・・』 

 古来からの律令を改正し、新たに、無窮の法律を選定すること。

彼方より畳の縁を知りつくす  酒井かがり

第五義 上下議政所』 

 古来からの律令を改正し、新たに無窮の法律を撰定するとし、

 ”二院制の設置” することを意味している。

第六義 海陸軍局』

 龍馬が外国との比較で実感した、海軍を拡張すること。

第七義 親兵』

 特徴的なこれは、天皇の親兵を置き、帝都を防衛させること。

 ”朝廷は寸鉄を帯ず”といわれるように、

 天皇は長らく、直属の軍事力を有してこなかった。

 そして政権交代の結果、朝廷が中央政権を担うことになり、

 自ら、軍事力を保持することにある。

第八義 皇国今日の金銀物価を外国と平均す』 

 外国との対等貿易に基づく、外交関係を結ぶ必要性を語っている。

八色目を模索されておりますか 虹  山口ろっぱ

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『龍馬伝』・第43回-「船中八策」 あらすじ

いろは丸の談判で、見事紀州藩を打ち負かした龍馬(福山雅治)は、

後藤(青木崇高)とともに京に向かった。

将軍・慶喜(田中哲司)や、有力諸侯との会談のため、

京に上がった容堂(近藤正臣)へ、大政奉還論を進言するためだ。

京へ向かう船の中、龍馬は一心に筆を走らせていた。

だが、龍馬が京に着いたときには、容堂はすでに土佐へ発ったあとだった。

意表つく発想波を黙らせる  嶋澤喜八郎

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京の街で、龍馬と陸奥(平岡祐太)は、新撰組に出くわし斬り合いに。

そこへ中岡慎太郎(上川隆也)が助けに入り、相撲部屋へ龍馬を隠す。

武力討幕を目指す中岡は、

「薩摩が後藤に会いたがっている」 と伝える。

中岡の計らいで、

西郷隆盛(高橋克実)大久保利通(及川光博)ら薩摩勢と、

顔をあわせた後藤は、ともに大政奉還を目指そうと告げた。

薩摩側は、後藤の申し出を受ける代わりに、

大政奉還が失敗したときには、

「武力討幕に転向する」 ように条件を示し、

ここに、土佐と薩摩は盟約を結ぶこととなった。

神さまよあと賽銭はいくら要る  河たけこ

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その夜、龍馬は、船中での書を、中岡に見せる。

そこには、龍馬がこれまで学んできたことを凝縮した、

新しい日本のあり方が、書き示されていた。

出口あたりで仲間になって待っている  立蔵信子

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