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川柳的逍遥 人の世の一家言
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消え方もいろいろとあり模索中  新家完司



大空を かよふまぼろし 夢にだに 見えこぬ魂(たま)の 行く方たづねよ

大空を自由に翔ける幻術士よ。
夢にも姿の見えないあの人の、魂の行方を捜してきておくれ

「巻の○ 【雲隠れ】」

41巻の「幻の巻」光源氏は一年の引篭もり生活の後、出家を覚悟して、

その美しい姿を人前に現した。

長大な「源氏物語」の中で、生きた源氏が登場する最後のストーリーです。

そして次の42巻からは、源氏亡き後の子孫たちの話になっていきます。

その41巻と42巻の間にあるのが、タイトルだけで本文のない、

空白だけの「雲隠」です。


41巻「幻の巻」は5歳、次の42巻「匂宮」では、14歳。

つまり、8年間の空白があるのです。

この空白を「雲隠」の巻名だけが埋めていることになります。

その後の、源氏の人生である出家や死を、この2文字で表しているのです。

とはいえ本文がないのだから、その8年間、源氏がどんな生活を送って

いたのか、何があったのか、詳細は分かりません。

考えさせてほしいと沖になっている  竹内ゆみこ

実際にこの巻名は、紫式部がつけたのか、後世の誰かがつけたのか、

そこにどんないたずら心が働いたのか、はっきりと分かっていなのです。

この「雲隠れの巻」については、古くからさまざまな説があります。

「紫式部による逆打ち切り説」

紫式部は、光源氏の死を以って『源氏物語』を終わらせるつもりであった。

ところが、40巻の刊行後に出版社とのいざこざがあり、それに切れた

紫式部が、その後の構想を何も言わず本人が雲隠してしまったというもの。


しばらくして、式部は他の出版社に移り、前の出版社への当て付けとして

予定になかった「41巻【匂宮】」を書いたというのである。

「紫式部なりきり」

燃え尽きた紫式部を諦め、第三者が式部の筆調を真似て、続編を書いた。

系譜から解き放たれて迷う蝶  笠嶋恵美子

「紫式部の記憶喪失」

40巻・幻の執筆後に、紫式部が源氏のいないシナリオにやる気が消えた、

か、
記憶喪失を装ったか、以後の構想を考える積極性をなくした。

「出版社の都合」

雲隠れは、余りにも俗悪な内容だったので、出版社が自主削除した。

「紫式部なりきり」

燃え尽きた紫式部を諦め、第三者が紫式部の筆調を真似て、続編を書いた。

系譜から解き放たれて迷う蝶  笠嶋恵美子

「人権団体の圧力」

実は本文があったが、それを読んだある中学生がその内容を人権活動家に

相談すると、瞬時、全国的な抗議運動にまで発展し封印を余儀なくされた。

「タイムパラドックス」

原稿紛失。あるべきはずの原稿が、消えてしまった。

「紫式部の思惑」

通説としては、作者の紫式部があえて巻名だけをつけ本文は書かなかった。

主人公の死を暗示させたままで詳細は描かない。

そんな斬新な手法を用いた、紫式部らしいところである

電柱の影で泣いてる影法師  岡谷 樹

「雲隠六帖」

天台宗の教典が60巻あったことから、源氏物語の54巻にも6巻を加え

同じ巻数にしようと考えた。

単なる数字合わせだったか。

 もしも、まぼろしとなった雲隠れが発見されれば、大事件ですが。さて、

「幻」の巻から「匂宮」の巻までに、述べた通り8年間の時間経過があり、

この間に源氏は、出家し嵯峨にて隠棲し、2、3年後に死去したと

「巻の49・宿木」に記されています。

種明かしはきっと あの世にてかしこ  佐藤美はる

【辞典】 第三部・薫の物語の主な登場人物

 柏木と女三宮の間にできた不義の子。世間では源氏の子と思われている。
    自分の出生の秘密を引きずりながら、煮え切らない幾多の恋を経験する。

匂宮 今上帝と明石中宮の子。源氏の孫にあたる。傷心の源氏を幼い無邪気
   さで慰めていたあの子どもです。大人になると、源氏も顔負けのプレ
            イボ
ーイぶりを発揮する。

明石中宮 源氏と明石の君の子。第三部では立派な皇后になっている。匂宮
   という女遊びが絶えない子どもをたしなめる母親として、物語の要所
            要所
で登場する。

夕霧 源氏の子。傷心の源氏を立派に助けていた夕霧も、第三部では、自分
   の子ども達を心配する親として登場。それでもまめな性格は変らない。

源氏 第三部では故人としてしか登場しない。がそれでも多大な影響力を残
   している。新しく登場するほとんどの人物に源氏の影が見え隠れする。

蔵人少将 夕霧と雲居雁の間にできた子。左大臣の娘と結婚するが、その後
   も玉鬘の姉君を恋慕する。

玉鬘 前太政大臣の子、母は夕顔。かつて多くの男性から結婚を求められた
   が、結局は髭黒と結婚した。

姉君 玉鬘と髭黒のあいだにできた子。冷泉帝のもとに入るが、他の妻たち
   の嫉妬を受ける。

動かない波になったらお婆さん  八上桐子

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