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川柳的逍遥 人の世の一家言
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どちらにしても葬儀屋さんが太る  中村登美子  

伊達の騎馬鉄砲隊(イメージ)

騎馬隊を自由自在に操るだけでなく、その馬上から鉄砲を放ち、
敵をひるませてから突撃する精鋭部隊。
かって織田信長を苦しめた雑賀衆が得意とした戦法という。

「浪人たちの戦い」ー②

八尾・若江の戦いの布陣図

八尾・若江では東の河内方面や京都方面から大阪城へ迫る徳川軍を

長宗我部盛親隊木村重成隊が迎撃していた。

八尾・若江は道明寺より数キロ北にあり、大阪城により近い要所だ。

河内方面は徳川軍の藤堂高虎、井伊直孝を先鋒に、本多忠朝、前田利常、

松平忠直などが続いて総勢5万5千人、

さらにその後に徳川家康、秀忠
本隊が続いていた。

戦いは午前4時頃に始まり、長宗我部盛親の部隊が地の利を生かした

見事な戦いをみせ、午前中まで藤堂高虎隊の先鋒を圧倒する。

笑っても笑ってもまだ穴がある  山口美千代

一方、若江でも23歳の木村重成が奮戦を見せていた。

午前5時頃、待ち構える木村隊の右手に藤堂隊の右翼先鋒が攻撃をかけた。

しかし木村隊の激しい銃撃により兵の半数を失って敗走する。

若い重成は側近の制止を振り切って追撃をかけたが、

井伊隊にいた18歳の若武者・安藤重勝に討たれてしまった。

木村隊を破った井伊隊は八尾へ向かい、苦戦する藤堂隊を救援した。

これに勢いづいた藤堂隊も体勢を立て直す。

くいしばってごらん海が見えるから  笠嶋恵美子

  道明寺の戦い

一説に、又兵衛は一手に敵を引き受け戦死する覚悟で戦いに臨んだという。

多勢に無勢に新手が加わって不利とみて、長宗我部盛親も退却を命じた。

道明寺方面では、野村にて真田幸村隊と伊達隊の先鋒が鉢合わせし、

伊達の「騎馬鉄砲隊」が真田勢めがけて一斉に銃撃を浴びせた。

伊達の本拠地・仙台は名馬の産地として知られるが、

この騎馬鉄砲隊は伊達
政宗が家臣の次男・三男の中から力自慢の者を選抜

して編成した。


「馬上より鉄砲一放ちすれば、当たらぬこと稀なり」

という精鋭部隊であった。


撃ち立てられて敵の乱れた所に、煙が消える前に即座に突入する荒々しい

戦法に幸村隊の兵も多くの犠牲を出した。        

何もかも不可能だらけどうしよう  庄田潤子

手強いとみた幸村は銃弾の飛び交う中で督戦に務め、

「ここを堪えよ!片足でも引けば全滅ぞ」と兵を励ました。

真田隊は松の木を楯にして猛攻に耐える。

この時、幸村は暑さを凌がせるため、兵に兜をつけさせずにいたが、

伊達隊との距離が縮まるに及んで、

「兜をつけよ、槍を取れ!」と順々に号令した。


これで幸村隊は勇気百倍し、伊達隊の接近に備えた。    

鉄砲を撃ち終え、煙が薄らいだ頃合いを見計らい「いざかかれ!」と、

幸村が下知すると真田隊は皆立ち、突きかかった。    

近距離に立つ槍ぶすまの前に伊達軍の騎馬も浮き足だった。

尾骶骨あたりで見せてやる気骨  藤井孝作

政宗の先鋒・片倉重綱石母田大膳らは、

「敵は小勢だ、根こそぎ打ち倒してみせよう」と豪語もしていたが、

この真田隊の手強さに泡を喰い、崩されて退いた。

一説に、重綱は幸村の姿を認め、突きかかって行くが、

幸村はそれを見て傍らの丘陵へと登った。

誘い水を仕掛けたのである。

重綱は罠と見てそれ以上進まず、馬を返した。

しばらく攻防が続き、両軍とも相応の犠牲を出す。
          こんだ
政宗は攻撃を中断させ、誉田を挟んで睨み合いとなる。

午後2時、幸村は頃合いと見て撤退にかかる。    

追撃しようとする兵を政宗らは必死に制した。
               しんがり
追おうとすれば逆にやられる、幸村の殿の指揮は見事なものであった。

風よりも軽いんですの命綱  河村啓子

日の丸の軍扇を手にした隻眼の武将が伊達政宗、
後藤又兵衛の部隊と
戦闘中の様子を描かれている。
その左上には松平忠明
(家康の外孫)。


この戦いで重綱の戦いぶりを見た幸村が、彼を自分の遺児たちを

託すに値する人物とみて手配に動いたという説がある。    


戦後、重綱は幸村の5女・阿梅を妻に迎え、次男・大八も保護をしている。

道明寺の戦いで後藤隊だけが突出してしまった理由として、

「北川覚書」には
深夜から濃霧が発生し、真田や毛利の軍勢は進軍できず、

戦場到着が遅れたと説明がなされている。

戦場において予期せぬ事態は付き物だが、この「5月6日の激戦」は、

双方とも相応の損害を出しており、豊臣軍はよく善戦した。

しかし、滅亡の時は刻一刻と迫っていた。

冬はもう大腿骨の中にいる  新家完司

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