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川柳的逍遥 人の世の一家言
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喜怒哀楽を匿名希望  兵頭全郎


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 徳川秀忠

「秀忠という人」

秀忠は、6歳年上のに、頭が上がらない恐妻家だといわれる。

しかし表の顔は、知略に秀でた政治家タイプの将軍だ。

「関が原の戦い」に遅れて、参戦できないなど、

武勇において、芳しい話がないため、

凡庸と評されることが多いが、

そもそも二代目というのは、損な役回りである。

自画像にマスクを描いた自己嫌悪  有田一央

初代が偉大であればあるほど、

普通にしていても、評価は低くならざるを得ない。

逆にいえば、それを引き受けるだけの度量がないと、

二代目は務まらない。

さらに言えば、政権を維持することは

創始することよりも数段難しい。

見かけほど気楽ではない鳩時計  有田晴子

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   秀忠誕生の井戸

家康に比べて、秀忠は確かに凡庸な男だった。

偉大な父を持った息子の、悲哀でもあった。

どんなことをしても、父を抜くことは有り得なかった。

大勢の前で弁舌を振るうなどは、最も苦手なことだった。

父の前に出ると体が硬直した。

父を尊奉し、言いつけは堅く守った。

秀忠は、律儀ものだった。

左回りの時計でも0時です  井上一筒          

家康はそこが心配だった。  

ある時、

「正信そちが教育してくれぬか、少しは嘘もつくようにいえ」

といった。

正信が、秀忠に告げると、

「それは駄目だ。父上はたとえ嘘をついても買い手はあるが、

  自分の嘘は買い手がない」

と言って笑った。

ひとしきり笑って壁を黙らせる  湊 圭史

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ドラマ・お江ー秀忠・向井理

確かに秀忠の嘘はぎこちなくて、ばれてしまうだろうと思われた。

秀忠は、唯の一度も「父を超える」など、

思ったことはなかった。

ただし、お江を妻にしてからは、随分変わった。

「あなたは、徳川家を継ぐお方です」

お江は、ことあるごとに言った。

秀忠は、年上のお江の意のままだった。

若い秀忠は、毎晩のようにお江を求め、

秀忠のひたむきな愛に、お江は、身も心も癒された。

温泉で男をやわらかくしよう  森中惠美子

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ドラマお江ー千姫役・芦田愛菜ちゃん

秀忠が男をあげた「慶長伏見大地震」のあと、

4月11日、お江は伏見屋敷で、女子を出産する。

千姫である。

「秀頼と結婚させよう」

秀吉は、妙にはしゃいだ。

お江は、しばらく伏見にとどまったが、

秀忠は、9月2日に江戸に戻った。

原色を着ます攫われないように  赤松ますみ

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ドラマでは火事の設定になっているか?

『慶長の大地震』 とは? 

慶長元年7月12日発生。

京都三条から伏見で最も被害が大きく、

伏見城天守閣大破、

石垣が崩れ、約500人が圧死。

堺で600人以上が亡くなり、

奈良、大阪、神戸でも被害があった。

余震が翌年4月まで続く。

そして、秀吉に謹慎を命じられていた加藤清正が、

地震の直後、300人の手兵を連れて登城し、

城門を固めるとともに、救助活動を行い、

治安の維持にあたったため、

感動した秀吉に、謹慎を解かれたという逸話がある。

瓦礫この無数の無言の鴎ぞ  きゅういち

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ドラマで火と煙に囲まれるお江

「清正記」)より、

『慶長元年七月十二日乃夜、大地震ゆる事、

  二百年三百年にもかヽる例を不及聞、

  日をこえてやまず、洛中、洛外、伏見、大坂は不及申、

  五畿内押並て地震・・・略・・・』

地震が起こると、すぐに清正は立ち上がり、

200人の足軽に手下を持たせ、

治安の維持にあたった。 

潮騒やあれは電気をおこす音  壷内半酔

その時、秀吉は・・・?

≪秀吉はいずこにと思えば、

 『大庭へ出御被成、御敷物を敷き、幕屏風にてかこひ、

    大提灯をとぼさせ、太閤は女の御装束にて、

    政所様、松の丸殿、高蔵主々々々と・・・・』≫

この地震に秀吉はびびりまくっていた、

と、「清正記」は綴っている。

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宇治川、桂川、木津川の三川合流地に建てられた淀城

文禄元年(1592)に秀吉の隠居城として、

指月の丘に築城した「指月伏見城」は、

この大地震により倒壊。

そして、木幡山に新たな伏見城の築城が開始するも、

慶長3年8月、城の完成を見ることなく、

秀吉は死去する。
  (享年62歳)。

一望の野に咲かしむるしゃれこうべ  時実新子

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大河ドラマ「お江」-第30回・「愛しき人よ」 あらすじ

伏見・徳川屋敷で暮らし始めた江(上野樹里)だったが、、

どうしても、秀忠(向井理)の妻として自覚が持てず、

朝寝坊などしてしまう。

それもこれも、

秀忠とは互いに、心を通わせることがなく

夫婦の契りすら、結んでいないのが原因だった。

隣との距離はげんこつ一個分  吉川 幸

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さびしい毎日。

江はつい、前夫・秀勝の形見などを手にして、

思い出に浸ることが多くなる。

一方、秀忠は、江が秀勝の形見を大事にしていることを知り、

複雑な気持ちに。

一層、江との距離を縮めづらくなってしまう。

そんな中、江は何度か、夫と仲良くなろうと試みるが、

秀忠は、無関心な態度を改めない。

試みの真ん中辺が切れている  山本早苗

すると江も意地になってしまい、関係改善には至らないのだ。

時がたっても、2人の心が近づくことはなく、

ついに江は、自分が徳川家を去るべきだと判断する。

そしてある夜、秀忠に、

「私をこの家から追っていただきたい」

と申し出るのだ。

雨漏りがぽつーりぽつーり胃に刺さる  谷垣郁郎

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江が秀忠との関係に悩んでいるころ、

秀吉(岸谷五朗)は、体調を崩して寝込んでいた。

それを聞いた江は、秀忠や家康(北大路欣也)に、

秀吉の状態について尋ねる。

理由を問われると、

「姉の夫だから」

「天下人に何かあれば、一大事なので」

などと答えるが、

実は江は敵である秀吉に、情がわいており、

彼のことを心から案じていた。

家康は、

「重い病ではないはず」

と答えて江を安心させる。

だがその一方で、

秀吉の病状について細大漏らさず報告させ、

何があっても、すぐに動ける態勢を整えていた。

おーい雲残り時間を知ってるか  笠嶋恵美子

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