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川柳的逍遥 人の世の一家言
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ニシガハチやがて不安は著莪の花  嶋澤喜八郎


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      著莪の花

著莪(しゃが)の花は、たった一日で、しぼんでしまうそうだ。

だが、そこからまた咲き継いで、

1-2ヶ月は、咲き続ける強さを持った花である。

まさに、お江を見ているようだ。

花言葉は-(お江で良いか)一般的には、抵抗・反抗・決心・思いやり

迂回路をたくさん持ってジュエリーに  蟹口和枝

「お江ー三度目の結婚」

2度目の夫・羽柴秀勝が、文禄の役に出兵、

朝鮮で病死したため、お江は秀吉のもとで暮らしていた。

文禄4年のある日、秀吉が江に縁談を持ってくる。

相手はなんと、家康の三男・秀忠だった。

初めて会ったときから、5年が経っており、

は、23歳。秀忠は、17歳となっていた。

人の好い胸を流れるながれ弾  森中惠美子

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幕府祚胤伝(ばくふそいんでん)

≪江戸研究家の三田村鳶魚(えんぎょ)が最も正確と評した

  徳川幕府の側室の経歴を伝える書物。(東京大学史料編纂蔵)

  後陽成天皇の聚楽第行幸や、

  秀忠・江の婚礼が伏見城で執り行われたことも記されている≫

何処に嫁ごうが、江の腹は決まっていたが、

どうもあの皮肉屋の秀忠は、苦手だった。

だが、天下人の秀吉の決定には、従わざるを得なかった。

また、お江は、姉である淀殿から、

「お前は秀忠殿の妻になるのです。これはお天下さまの仰せです」

といわれた。

お江は、ひどく戸惑いを覚えた。

縦書きにとまどう数学の頭  下谷憲子

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お江は、前夫との一人娘、

「完子を徳川家に連れて行きたい」

と願ったが、秀吉も淀殿も、それを認めなかった。

完子は数少ない豊臣一族の血を引く、女子だったからである。

お江同様、秀頼の将来を支える権力者に嫁がせるための、

政略結婚の道具と考えられた。

「あなたは織田家の血筋、秀忠殿のお子を生み、

  わが子秀頼を支えるのです。

  お天下さまはすでに、家康公に話されています」

ともかく、姉の言葉は命令に近く、

逆らえるものではなかった。

≪淀殿に託した完子は、公家の九条家に輿入れ、関白夫人となって、

 その息子・道房も関白となり、公家と武家の貴重な仲介者となった≫

手のひらでグシャっと壊す秋の音  河村啓子

淀殿はこの時、秀吉との間に、世継ぎとなる秀頼がいる。

もし、秀忠とお江の間に子供が生まれれば、

その子は、秀頼と従兄弟になる。

秀吉晩年の、唯一の気がかりであった秀頼を、

関白にするためには、

どうしても、家康の後ろ盾が欲しかった。

秀吉が考えそうな政略結婚だった。

まず瓢箪を膨らませ考えよ  山口ろっぱ

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    徳川家の御年譜

≪秀忠とお江の婚礼についての記載がある。(徳川記念財団蔵)≫

一方、家康は江に好感をもっており、

徳川家に迎えることを歓迎していた。

かつて仕えた信長公の血筋のお江と、

秀忠が結婚するのも、何かの縁と家康は考えた。

文禄4年9月17日、江と秀忠は指月山伏見城で、

盛大な婚礼の儀を行った。

本来、嫁ぎ先となる江戸で挙式をするのが、筋だったが、

秀吉に配慮して、伏見となった。

浮雲を三つ食べたら春がきた  和田洋子

二人は夫婦になったが、

江には秀忠の醒めた態度がどうにも我慢がならなかった。

顔を合わせれば、常に口論となった。

そういうことで、結婚当初から夫婦関係も何もなかった。

舅の家康は、早く世継ぎをと願っていたが、

今のままでは無理な注文というものであった。

とはいえ、家康の気持ちを考えると、江は心苦しかった。

水あかりパントマイムをしてくれる  岩根彰子

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その頃から、秀吉の様子がおかしくなっていった。

明国の使者からの回答に不満を持った秀吉は、

ふたたび朝鮮半島への派兵を決めたのだ。

だがこの派兵は、

朝鮮への単純な復讐でしかなかった。

更に秀吉は、バテレン追放令を厳しくし、

宣教師や信者をも厳しく取り締まり、

長崎に送って磔に処した。

その頃、江の身体に異変が起きていた。

秀忠の子を、懐妊したのであった。

△とXだけでする恋占い  井上一筒

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大河ドラマ・「お江」ー第29回-「最悪の夫」 あらすじ

「秀忠に嫁げ」

と江は、秀吉(岸谷五朗)から言われたものの、

江(上野樹里)には、まったくその気がなかった。

彼女は、秀吉にすっかり愛想を尽かしており、

その命に、従うつもりはさらさらないのだ。

男はんは体育系と決めてます  八田灯子

そんな江の心を動かしたのが、

秀忠(向井理)父・家康(北大路欣也)だ。

家康は、自ら江のもとに足を運び、

「ぜひ徳川家に来てほしい」 と頭を下げる。

恐縮しつつも断りたい江が、

秀忠より、かなり年上であること、

完という娘があることなど、

嫁として、ふさわしくない点を挙げても、

家康の思いは変わらない。

完のことも、「お連れになるがよい」

と、
むしろ歓迎の意を示すほど。

空っぽのハートに触れた一行詩  和田洋子

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実は家康は、政略とは別に、

前々から、江を秀忠の嫁にと考えていたのである。

江はその熱意にほだされ、

また家康のある言葉に運命を感じ、

ついに嫁入りを決意する。

やっと交わる私の中の平行線  合田瑠美子

家康から、「江殿を嫁に迎えよ」

と命じられ、秀忠は驚いた。

彼の脳裏には、以前に会った江の、感じの悪い様子が浮かび、

とても、うれしい気持ちにはなれない。

だが結局は、

「私の人生は父上の御意のまま」

と皮肉を言うのが精いっぱいで、婚礼を承知する。

レモン一滴皮肉サッパリ聞き流す  荻野浩子

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そんな息子をたしなめる家康に対し、

控えていた正信(草刈正雄)が疑問を口にした。

「老い先短い秀吉と、これ以上縁を深める意味があるのでしょうや」

と、
しかし家康は、

「この婚礼は必ず徳川家のためになる」

と言って譲らない。
家康には、

「ひねくれてしまった息子を、江なら変えてくれる」

という予感があったのだ。

過去には触れないでおく沙羅双樹  山本昌乃

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輿入れが迫ったある日、

江は、呼び出されて秀吉、淀(宮沢りえ)の2人と対面した。

そこで秀吉から、完を豊臣家に置いていけと命じられる。

突然の無体な要求に、たちまち表情を硬くする江。

席を立とうとする彼女を引き止めたのは、ほかならぬ淀だった。

跳躍をしそうになった落し蓋   赤松ますみ

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「この話を持ち出したのは、、私じゃ」   

姉の言葉が、にわかには信じられず、江は、あぜんとする。

「完は豊臣の子、徳川に連れていくわけにもいくまい」

と続ける淀に、やっとのことで、

「心からのお言葉ですか」

と聞き返すと、

いつも優しかった姉は、まっずぐに江を見て、

「そうじゃ」

と答えるのだった・・・。

水は低きに私は風に流される  片岡加代

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