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川柳的逍遥 人の世の一家言
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やがてポップコーンは途方に暮れる  酒井かがり

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    羽柴秀勝の墓

「文禄三姉妹年表2年」

文禄元年(1592)

お江 羽柴秀勝に嫁ぐ(二月)。
文禄の役ー秀吉 茶々・肥前・名護屋城へ出陣。
秀勝ー出陣(三月)。
秀吉の母・大政所没(七月)。
秀勝朝鮮の巨済島で病死(九月)。
お江 完子出産。

文禄2年(1593)

茶々 大坂城・二の丸で秀吉の第二子(お拾)を出産(八月)。
浅井長政・21回忌供養を営む(九月)。
この冬、茶々 疱瘡を患う。
初の夫・京極高次 庶長子・忠高誕生。

おたおたと追うニュースの影法師  阪本きりり

「茶々懐妊」

文禄2年(1593)、朝鮮遠征は、

最初のうちは、漢城(ソウル)を電撃的に占領するなど、

戦国で鍛えられた日本軍は、向かうところ敵なしの勢いで、

太閤秀吉茶々を伴って、

名護屋城に入り、

6月には、自ら渡海する準備をしていた。

心中の虫は寝る暇ないらしい  オカダキキ

そんな折、

京都・聚楽第から大政所(秀吉の母)が危篤との報せが入る。

秀吉は、急ぎ京都に戻ったが、

残念ながら、死に目にあえなかった。

この出来事で、秀吉の渡海も先延ばしになった。

≪この戦いで、お江の夫・秀勝は、巨済島で戦病死をしてしまう≫

かげろうが残ったシャボン玉消えて  籠島恵子

「大政所の供養がすんだら、今度こそ渡海する」

と、秀吉はいい続けていた。

ところが、年が明けると、

なんと、茶々がまたもや、

肥前の名護屋で、懐妊していることがわかった。

乳牛の道は牛乳だすことだ  井上一筒

喜んだ秀吉は、茶々を大坂へ返す。

そして8月3日、男子が誕生。

お拾君(秀頼)と名付けた。

秀吉はさっそく大坂に戻り、関白・秀次に、

「お拾に日本の五分の一くらいはやって欲しい」

と望んだ。

天下は、大事な姉の子である秀次にやったのだから

「返せ!」 とは言えない、これは、

「関白秀次としては、拾の将来についてどう考えてくれるのか?」

という問いかけであった。

口笛でオートロックを開けている  杉本克子

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       秀次

ところが、関白・秀次の反応はにぶいかった。

このとき、関白は、秀吉に嫡子が出来たのだから

「お拾君を養子にして、成人の折は関白を譲る」

くらいのことは言うべきだった。

まして、お拾君は、織田家の血も引いているのだ。

「のちのち、拾君が関白を継ぐ」 と思う人も多かった。

借景が牙剥く鳶から啓示  岩根彰子

それなのに秀次は、この年の暮れに太閤が、

「将来、拾君と関白の姫を娶そう」

という提案をしても、すぐには承諾しなかった。

これでは、太閤も安心ができない。

それ以上に、茶々は、疑心暗鬼であった。

太閤に、もしものことがあれば、

拾君は関白秀次にとっては、邪魔者になる。

母子ともに、命の危険すら感じなければならない、

事態になるからだ。

両手で触るもうすぐこれがデスマスク  田中博造

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       高次

余談ー「初の子ども」

この年の9月、

の夫・高次が、名護屋に連れて行ったが懐妊し、

聚楽第に近い安久院(大宮)の京極屋敷で、

男児を産んだ。

結婚5年以上も、子どもができなかった初にとって、

悔しい思いもあるが、仕方なかった。

かごめかごめ今日はどうやら蚊帳の外  北原照子

夫の裏切りに対し、邪推した「徳川実紀」は、

「初がこの子を殺そうとした」 と書いている。

それは家臣・磯野信隆が、八瀬・沖ノ島・菅浦など、

京近江各地を転々としながら、

子どもを匿ったことから起因している。

しかし、この子は3歳のとき、京極家で引き取られ、

初は大事に育てた。

この子が熊麿、のちの忠高である。

≪磯野信隆は忠高の代になってから京極家に帰参している≫

渦ふたつ擦れ合いながら生きている  たむらあきこ

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大河ドラマ・お江-第27回・「秀勝の遺言」 あらすじ

秀勝(AKIRA)の死を知らされてから数ヶ月後、

江(上野樹里)は、無事に元気な女の子を出産した。

しかし、夫を失った悲しみが大きすぎ、

彼女は完と名付けた娘の誕生を、手放しで喜べない。

とにかく、事あるごとに秀勝を思い出し、

泣いてばかりいる日々。

夫とともに抱きたかったという思いに縛られ、

いとしいはずの我が子を、

抱くことすら出来ないありさまだった。

零れ落ちてしまいそうこの世から  平尾正人

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心配した初(水川あさみ)は、江のもとを訪れ、

何かと励まそうとするが、

いっこうに、江の気持ちは晴れない。

「秀勝様のおそばに参りとうございます」

そんなことを言って、いっそう初を不安にさせるのだ。

点滴の時間マクベス不眠症  墨作二郎

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そんな時、秀吉とともに、

九州に滞在していた淀(宮沢りえ)が、大坂城に戻ってきた。

それを知った初は、江を連れて大坂城へ。

かくして江と再会した淀は、憔悴した妹に、

「無理にでも希望を持て」

と助言する。

自分が鶴松を失ったとき、希望を持つことで、

立ち直った経験があるからだ。

忘却が私の今の救世主   井丸昌紀 

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江は、「今はとても希望など持てない」 と思う。

だがその一方で、淀こそ、

「自分の心の内をいちばん分かってくれている」

とも感じるのだ。

もちろん江の不幸に胸を痛めているのは、

初や淀だけでなく、

龍子(鈴木砂羽)ガラシャ(ミムラ)も、

それぞれの言葉で、彼女を慰める。

元気出しなさい再生紙のように  壷内半酔

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江が夫を失ったと知り、慰めの言葉をかけにきたガラシャは、

「本能寺の変」後に、自身が辿った苦難の道について、

初めて詳しく語る。

謀反人の娘として、

山深い地に幽閉されていた折の苦しみ、

許されて、細川家に戻ったあとも続く孤独・・・等々。

おかげで、江の心は少しずつ解れていくが、

やはり悲しみは、去ることはなかった。

喪服着て少し不幸な顔をする  山本昌乃

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そんなある日、遠く朝鮮から、秀勝の遺髪と形見の小刀、

そして、江に宛てた手紙が届く。

遺髪と刀をしっかり抱きしめ、涙を流す江。

続いて彼女が手に取った文には、

自らの死を覚悟した秀勝の、

江に対する赤裸々な思いが、綴られていた。

人はみな一管の笛にすぎない  居谷真理子

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