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川柳的逍遥 人の世の一家言
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次の世へこの世を脱いでいるところ  吉野成子

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ナポレオンもそうだが、懐に手を突っ込んだ同様の肖像が、

坂本龍馬にもある。

上野彦馬という写真家が、写した一枚がそれである。

舶来のブーツを履いて、得意になった龍馬が、

高杉晋作からもらったピストルを、懐に隠し持っているとか、

いや、あの姿は、旅籠で戦い傷ついた右手を、いれているのだとか、

はたまたあれは、スタイリストの龍馬が、ポーズを取っただけのこと、

など、諸説紛々である。

取り替えた鼻がときどきはずれます  松原末湖

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『坂本龍馬が使っていたとされる刀』

刀鍛冶・左行秀(さのゆきひで) の作で、龍馬の親友・甲藤馬太郎から伝わる業物。

ある日のこと、

すでに天下にその名を轟かせている龍馬のもとに、

志士を名乗る男が訪れた。

男は、

「これからは、これがものを言う時代だ」

と、朱鞘の長刀を差し出して見せた。

龍馬は冷ややかに眺めながら、

「そんな長いものなど、いざというときに役にたたんぜよ」

と、龍馬は懐から短刀を出した。

明日もまた朝が来るとは限らない  井丸昌紀

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男はいったん引き上げ、ふたたび龍馬を訪れた。

「先生、やはり持つべきは短刀ですな」

と、言って自分の脇差を出した。

「お前ンは、それで国の大事に、立ち向かえるのか」

「先生は、いざというときに役立つと言われたが」

「なあ、これからはこれよ」

龍馬は懐からピストルを取り出し、縁側に向けて轟然とぶっ放した。

弾丸は松の木に深く食い込んでいた。

「ぶったまげました。これは何というものですか」

「これは西洋の武器ナ、よく見ちょけ」

「西洋の・・・・・」

龍馬は、畳の上にピストルを置いた。

瞬きの間に風が入れかわる  大楠紀子

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       「万国公法」

「しかしナ、世の中は武器では、勝てぬ時代になりつつある」

「なぜですか?」

「学問が大事ぜよ。僕はいま、これを読んじょるが非常におもしろい。

 ”万国公法”という本だ。

 今からはこれナ。

 西洋の決まり事が書かれておる。

 これからは、しっかとコレを読まんといかんぜよ」

懐の奥から取り出したのは、

「万国公法」
と筆書きされたちょっと分厚い本であった。

上海から渡ってきた万国公法が、

江戸の昌平坂学問所で翻訳され、刊行された内の一冊だ。

龍馬の懐は西洋の夢で、パンパンに膨らんでいたのである。

逃げ腰の男は討たぬ夕焼けよ  森中惠美子

【万国公法】 ヘンリーホイートン著

アメリカ人宣教師・ウイリアム・マーチンが漢文に翻訳。

慶応2年(1866)頃、返り点などを付け加え、

読みやすくしたものが、日本に出回った。

龍馬は、慶応3(1867)年4月、紀州船との衝突で、

沈没した「いろは丸事件」の賠償交渉で、これを役立てた記録がある。

行合の風におしゃれを馴染ませる  上村隆

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寺田屋事件で龍馬使用?・・・回転銃を公開…高知

龍馬が所持していたのと同型の”S&W社製・回転式拳銃”

龍馬が、寺田屋事件で難を逃れるため、

使用したとされる米国スミス・アンド・ウエッソン社製の

回転式拳銃と同型の拳銃が、高知県内で見つかり、

佐川町立青山文庫(同町奥の土居)が11日、公表した。

善意ということにしてピストルを持つ  前中知栄

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不自由な右手で木戸(谷原章介)が送ってきた密約の文書に裏書きをする龍馬。

『龍馬伝』・37回ー「龍馬の妻」 あらすじ

寺田屋で襲撃された龍馬(福山雅治)は、

深い傷を負いながらもどうにか脱出し、薩摩藩邸に担ぎ込まれた。

意識が混濁し、死の淵をさまよう龍馬を救おうと、

必死で看病に当たったのが、おりょう(真木よう子)だった。

龍馬が意識を取り戻してからも、献身的に世話をするおりょう。

そのおかげで、龍馬は体を動かせるようになる。

背中の傷に 縫いこんであるむかし 井上一筒

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そんな折、龍馬は西郷(高橋克実)から、薩摩へ行くことを勧められる。

龍馬が奉行所に、目をつけられていることが判明した今、

このまま京にいては危ない。

彼らの手の及ばない薩摩で、しばらく療養したほうがいいと言うのだ。

西郷の申し出を受け、薩摩に向かう龍馬だったが、

気がかりなのは、おりょうのこと。

京を離れたら、二度と会えなくなるかも知れない。

そう思った龍馬は、おりょうに、

「夫婦となって、ともに薩摩へ行こう」

と告げた。

龍馬の思いをおりょうは受け入れ、二人は薩摩へ向けて旅立つ。

背のボタンは自分で外すものじゃない  八田灯子

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 おりょうを紹介する龍馬

旅の途中、二人は長崎へ立ち寄る。

龍馬は、亀山社中の面々に、おりょうを紹介したものの、

すぐ忙しく今後の相談を社中と始め、

次は一人で、グラバー邸に出かけてしまう。

置いてけぼりにされたおりょうは、

「自分は龍馬の役に立っているのか」 と不安になる。

グラバー邸には、海外へ密かに行こうとする高杉(伊勢谷友介)がいて、

「これから2人で一緒に面白いことをやろう」

と誓うが、

実はこのとき高杉の体は、病魔に蝕まれていた。

昨日という脱ぎっぱなしが帰らない  山本早苗

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 おりょうと龍馬の結婚式

引田屋で、龍馬の結婚の祝いが開かれる。

お元(蒼井優)は、龍馬が結婚したことに驚き、また、そんな自分にとまどう。

おりょうは、そんなお元の想いを気づいていた。

おりょうは龍馬に、

「本当にこれでよかったのか」と不安を打ち明ける。

龍馬は、

「一度死にかけて、時がもうないと気が急いている」

と謝り、そして今、

「心の支えはお龍だ」 と、

生母・幸(草刈民代)からもらって、

肌身離さず付けていた”希(のぞみ)”の文字の入った首飾りを、

おりょうに渡すのだった。

サヨナラをひとつコンニチワをひとつ  山口ろっぱ

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