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川柳的逍遥 人の世の一家言
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えび芋の素質を棒鱈にたくす  田中博造


  矢沢頼綱
真田幸隆の弟。甥・昌幸の補佐役として活躍し、合戦では別働隊を率いた。
名胡桃城(なぐるみじょう)攻め、小川城攻めにも参戦。
天正8年から沼田城城代を務め、天正壬午の乱では北条から守り抜いた。
また天正13年の第一次上田合戦では徳川家康が上田城を攻めた際、
まず上杉景勝に援軍を求めたのが頼綱であった。
なお子の頼康も後の大坂冬の陣で信之の息子を助けるなどの奮戦をした。

不器用な分だけひたむきに生きる  須磨活恵


虚空蔵山城跡(こくぞうさんじょう)

鎌倉初期、小県郡の海野氏を祖とする会田氏の城。
会田氏は、麓の会田殿村に居館を置き、虚空蔵山の中腹に中の陣城や
秋吉砦などを配し、山頂には物見の砦などを設け、要害城とした。
真田の六文銭の家紋はもともと、海野氏の家紋だった。


「天正11年から12年」

北条氏直は甲斐・信濃における徳川家康の優先権を認め、

上野の切り取りを10月末に得ることで徳川方と講和を結んだ。

ここに「天正壬午の乱」は幕を閉じたが、

真田昌幸の戦いはこれで終わったわけではない。

天正11年(1583)3月、昌幸は小県の西の入口にあたる「虚空蔵山」

上杉勢を攻め、翌月甲斐の甲府に在陣中の家康に出仕した。

そこで昌幸は、上杉防衛の重要さを訴えたと思われる。

上田城築城がはじまったのだ。

やって来るいちばんずるい角度から  八上桐子

4月13日、昌幸の上田築城を知った上杉景勝は、
           あまがふち
「真田、海土淵(尼ヶ淵)取り立つるの由に候条、追い払うべき」

と阻止命令を下す。

海土淵というのは、上田城の直下を流れる千曲川の河畔の名だが、

そこに大量の兵を集められる城を築くことこそ肝要、

と昌幸は家康を説得し築城の許可を得たのだろう。

当初の上田城は東に大手を向け単純な方形の本丸を一重の堀で囲み、

その周囲は河川や沼を自然の外堀とした単純なものだったが、

それでも大軍の集結には十分な広さを持ち、

とりあえず翌年には粗粗完成したという。

突然の軟化へ裏が読みきれぬ  有田晴子


    沼田城図

北条との手切れ後、昌幸は沼田城に入っていた北条勢を追い払って

城を取り戻していたが、6月7日、矢沢頼綱を沼田城守備につかせる。

真田氏は徳川傘下で上田と沼田二つの大城を東西に持つ大勢力となった。

散るために咲いてまた散るくり返し  安土里恵

天正12年3月、織田信雄・徳川家康の連合軍は羽柴秀吉
かんか
干戈を交えることとなる。

その際、家康は北条にも援軍を求めている。

この時に棚上げとなっていた沼田城問題が話し合われた。

西に大兵力を待機させねばならない家康は、

北条側から条件履行を迫られるとこれを拒否できなかった。

そして北条への譲歩として家康は昌幸に沼田割譲を内々に打診した。

しかし昌幸は、「沼田は自らの力で切り取った領地、

家康殿から北条へ渡せと指図されるいわれはない」と突っぱねた。

6月家康は、室賀正武に昌幸謀殺を命じる。

「はかりごとを以って真田を討つべし」

歯ぎしりが聞こえる鳴き砂を踏んで  和田洋子

正武は上田近くの国人領主で、かって昌幸に敵対したあと

随身した人物だったが、「昌幸暗殺計画」を知った昌幸は、

逆に正武をだまし上田城に招いて暗殺する。

「近いうちに家康とは手切れになるだろう」

先を読んだ昌幸は、上杉軍に備えるという名目で新築した上田城に

本拠を移し、徳川と敵対したのであった。

その髭に触れたらきっと感電死  安土里恵

かといって、単独では「徳川・北条同盟」に対決できない。

昌幸は一転して、それまで敵対していた上杉景勝を頼ることにした。

景勝にしてみれば、

信州進出ではたびたび苦杯をなめさせられた昌幸は
なんとも

小癪で目障りな存在だったが、服属してくれれば、逆に、

上杉方勢力が小県まで伸び、徳川方に突きつけた匕首となると考えた。

景勝は昌幸に「九か条の起請文」を与えた。

本領安堵のほか、佐久郡や甲州の一部を新地として与えることを

確約するとともに徳川や北条が攻めてきたら、

上田だけでなく沼田、吾妻まで援軍を送ると約束している。

虫好かぬ奴だが敵に回せない  上田 仁

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