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川柳的逍遥 人の世の一家言
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洗って洗って空は蒼に戻るべし  山口ろっぱ

 
       高杉晋作の憂国の楓 

大正時代に入ってから発見された「憂国の楓」の木には、
                    つ
「盡国家之秋在焉」(国家ニ盡<スノトキナリ)の文字が見られる。

これは、八月十八日の政変の直後に、高杉晋作が、 

“国家のために尽す時がきた”

という決死の思いを刻んだものである。

(湯田温泉の老舗ホテル「松田屋」に残る)

うつむいていると一生空はない  武智三成

「吉田松陰が高杉晋作を評した言葉」

【新知の暢夫(高杉晋作)、識見気魄、他人及ぶなし。

   但だ一、暢夫を得て之れに抗せしむるに非ずんば、

   必ず害を生ぜん。


   然れども両暢夫相抗すれば、必ず一暢夫の斃るる者あらん。

   是れ亦憂ふべきなり。

   此の間の苦心、吾れ桂(桂小五郎)と一言せしに、

   桂も之れを首肯せり。


   無逸(吉田利麿)の識見は暢夫に彷彿す。

   但だ、些かの才あり。

   是れ大いに其の気魄を害す。

   気魄一たび衰へば識見亦昏む、嘆ずべし嘆ずべし。

   諷するに老家の説を以てせば、或いは一開発あらんか。

   抑々面従腹誹せんか、亦未だ知るべからず】

切っ先は鋭いが芯は暖かい  森 廣子   



「松田屋ホテルの浴槽「維新の湯」

激動の幕末期、高杉晋作、木戸孝允、西郷隆盛、大久保利通、
坂本龍馬、伊藤博文、大村益次郎、山県有朋、井上馨、三条実美らが
当宿に集い、夜 ごと密議を繰り広げたのち、湯田温泉に浸かって
疲れを 癒したといわれている。

「高杉晋作 憂国の楓」

幕府の長州征伐の方針の動きを受けて、長州藩内は激動した。

禁門の変の翌月には、前年に受けた砲撃の報復として、

異国船が、馬関に到来、猛攻を見せた末に、藩砲台を完全に制圧。

高杉晋作が主導した和議交渉と並行し、

藩内では、「俗論派」とも称される佐幕派勢力が台頭する。

彼らは、禁門の変の際に上京した国司信濃ら3家老を切腹させ、

さらに4名の参謀を処断、幕府への恭順姿勢を示した。

これに加えて、幕府軍は長州に対し、

藩内に滞留する三条実美ら5名の公家の身柄の移管と、

山口の藩城の棄却、

そして、藩主父子の謝罪状提出を条件に撤兵した。

流木に沖のことなど聴いている  中野六助

その後、藩内は尊皇倒幕を唱える「急進派」

幕府に従おうとする「恭順派」

対立で混乱を極め元治元年には、周布政之助の自刃、

井上聞多が恭順派の一派に急襲され、瀕死の重傷を負い、

「松田屋」に運び込まれるという事件も起こった。

さらに急進派の重鎮が政権から一掃され、こうして、

長州の藩論は、椋梨藤太を中心とする保守派一色となった。

とりあえず保護色になる輩達  伊藤志乃



藩政を牛耳った保守派は家老や参謀を処分するだけで収まらず、

急進派の幹部を次々に投獄していった。

小田村伊之助も投獄された一人である。

晋作は間一髪のところで捕縛から逃れ、

一時筑前へ身を潜めた。

しかし藩内における幕府恭順派の目に余る暴挙に、

怒りを覚えた高杉は、ほどなく帰藩し、

諸隊の幹部に決起を呼びかけた。

だが当初は騎兵隊総督・赤根武人による藩との融和策が、

進んでいることもあり、

諸隊幹部で決起に応じるものはいなかった。

ココロ地方に異常乾燥注意報   佐藤美はる

「死して不朽の見込みあらばいつでも死ぬべし、

                      生きて大業の見込みあらばいつでも生くべし」

それでも高杉は決起に関して、師・松陰の言葉を噛みしめ、

長府の功山寺にいた三条実美ら5人の公卿たちに決意表明をする。

その上で力士隊総督の伊藤俊輔の賛同を取り付け、

さらに遊撃隊総督・石川小五郎を説き伏せ、

わずか80人ほどの兵力であったが、

元治元年12月16日、挙兵した。

これは公卿たちに決意表明した場所から「功山寺挙兵」と呼ばれる。

雲は城に漂い無頼の日のかたち  墨作二郎

高杉らは、その日のうちに「下関新地会所」を襲撃、
           きがい    へいしん
さらに三田尻では帆船「癸亥」「丙辰」を奪取。

これに対し、藩政府は19日になって、急進派幹部7人を斬首し、

さらに追討隊を組織した。

これにより赤根による融和策は瓦解、

武装解除を通達された諸隊は、高杉らと合流することとなった。

下関新地会所=下関に設けられていた萩藩の出先機関で、
        高杉は食料や武器を調達するため、ここを襲撃した。

ひとつだけ倒れぬドミノございます  田口和代

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