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川柳的逍遥 人の世の一家言
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恋たのしワンバウンドして手の中に  森中恵美子



かはらじと 契りしことを たのみにて 松のひびきに 音をそえしかな


あなたの心は変わらないという約束を頼りにして、松風の音に
私のなく声を添えながら、これまでずっと耐えてまいりました。

「巻の18 【松風】」

光源氏は、本宅二条院の東に邸を所有しており、ここを美しく改装した。

西の対には花散里を住まわせ、東の対に明石の君を迎えるつもりであった。

しかし明石の君は、源氏の愛情だけを頼りに住み慣れた場所を

離れることや、
上流社会についていく自信がないことなどの

不安がよぎり、
京へあがることの決心がつかない。
                           おおいがわ
明石の入道は自分の娘の苦悩を見かねて、大堰川のほとりに

所有する
別荘を修理して、そこに母娘を住まわせることにした。

まずはここに住み、都に慣れればよいというのである。

源氏もこの提案に賛成し、邸の修理を手配するなど乗り気である。

雲は魔術師熊もクジラも作り出す  片山かずお

秋風が吹く頃、大堰の邸の修理は終わり、都へ旅立つ日が来た。

明石の君は22歳、姫君はまだ3歳のときである。

明石の入道は「もはや私の役目は終わった」と、随行せず、

人目に立つのを避けて、明石の君親子は船でひっそりと旅立つのだった。

大堰の邸は川べりの様子が明石の海辺に似ており、とても風情がある場所。

でも、明石の君は故郷に似た風景を見ても、不安はつのる。

到着してから数日が経つのに、源氏の訪問がないのだ。

本当はすぐにでも駆けつけたい源氏は、正妻の紫の上を気づかい、

口実が見つけられなかったのである。

雲ひとつないと言うのにふさぎこむ  信次幸代


 源氏になつく明石の姫

それでも何とか他の用事にかこつけ、大堰の邸に足を運ぶことができた。

源氏は久しぶりの対面に感無量である。

明石の君も直衣姿の源氏の美しさを、眩しく思う。

明石の君は、そっと幼い姫君を源氏の前に押し出す。

姫君は緊張した面持ちで、おずおずと源氏を見上げ、にっこりと微笑む。

源氏はそのあどけない笑顔を奮いつきたいほど可愛いと思った。

そして、源氏は「ここは遠くて、私もたびたびは訪れることが出来ないので、

   二条東院に移りなさい」と、勧めるが、明石の君は

「まだ都暮らしが不慣れなもので、もう少しここに」と答える。

そしてその晩は、明け方まで、源氏は明石の君と過ごした。

そこはかとなく漂っているのです  森田律子

後、自邸に戻った源氏は、こちらも愛しい妻の紫の上に正直に報告をする。

紫の上は当然不機嫌な顔をするが、源氏は間髪を入れず一つの提案をする。

「あなたに明石の姫を育ててもらいたい」と。

紫の上は一瞬、キョトンとした表情を見せたが、次の瞬間、少し微笑み、

「本当にいいの?うれしいああ、どんなに可愛いことでしょう。

   私、きっとその幼い姫君を気に入ると思うわ」と言い、

無邪気に喜んでいる。
紫の上はもともと子どもが大好きなのだ。

それを見越して提案したことだが、源氏には不安があった。

姫君を母親から引き離して、その母である明石の君が悲しむのではないか。

源氏は、明石の君が、独りで泣き暮らしている姿を考えていた。

仕舞屋の棚にいくつか残る種  筒井祥文


源氏の考えた寝殿造りの邸

「辞典」 対の屋について

当時の貴族が住む家は、寝殿造りで、建物は大きく四つの棟に分かれている。
四つとは、「寝殿」「北の対」「東の対」「西の対」で、
このうち北と東西の対をまとめて、「
対の屋」と呼ぶ。
対の屋と寝殿とは渡殿と呼ばれる屋根のついた通路で結ばれている。

通常は寝殿に主人が住み、対の屋には、妻や家族、女房たちが住んでいた。
 西は花散里、東が明石の君とすると、もうひとつ北の対が残っている。
光源氏はこの北の対を特に大きく造り、部屋を細かく仕切ったものにした。
そこには、今まで心を通わせてた他の恋人たちを住まわせようと考えたようだ。

ふり切った雫もいつか虹になる  桑原すゞ代

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