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川柳的逍遥 人の世の一家言
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ケセラセラのセラはとっても貧しそう  くんじろう

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     戊辰戦争図
                  (画像は拡大してご覧下さい)


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「戊辰戦争以後の山本家」

「鳥羽伏見の戦い」で、山本八重の兄・覚馬は行方不明、

弟・三郎は戦死。

その悲報で幕を開けた「八重の戊辰戦争」だったが、

「会津戦争」によって、さらなる悲劇に見舞われることになる。

61歳の父・権八は、50歳以上の藩士で構成された

「玄武隊」に所属して連戦していた。

しかし、南方の兵站を断つべく攻めてきた新政府軍と、

激突した一ノ堰で、遂に戦死する。

降伏間近の9月17日のことであった。

さよならが魚のかたちにうずくまる  大西泰世

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降伏開城すると藩士は猪苗代、そして東京で謹慎を命じられ、

女性や老人、子供は塩川から喜多方周辺の農家に当面、

住むように命じられる。

八重と母・佐久、兄嫁・うら、姪・みねの4人もしばらくは、

そこに滞在していたようだが、その後、米沢に移った。

会津に留学して川崎尚之助に砲術を師事していた

米沢藩士・内藤新一郎が、山本家の窮状を見かねて

援助の手を差し伸べてくれたのである。

傷口を重ね塗りしてB面へ  谷垣郁郎

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やがて、覚馬が京都で生存していることがわかり、

一家は明治4年(1871)、京都に向かうことになる。

しかしそこに覚馬の嫁・うらの姿はなかった。

その時すでに京都では、身体が不自由になった覚馬を、

時栄という女性が献身的に支えていた。

京都で覚馬が開いた洋学所に学んだ丹波郷士の

小田勝太郎が、目の不自由な覚馬のために、

自分の妹・時栄に身の回りの世話をさせたのが、

きっかけだというが、八重たちが京都に向かった年には、

久栄という娘も誕生している。

後ろ指さされても膝カックンされても  酒井かがり

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恐らく、うらは自ら身を引く決断を下したのであろう。

また、八重の最初の夫、川崎尚之助もいなかった。

尚之助は会津戦争の頃には、

会津藩士になっていたらしく、他の藩士と共に謹慎した後、
                                となみ
会津藩が再興を許された地・斗南にむかったのである。

おとなしのかまえでこれからを泳ぐ  笠嶋恵美子

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"みちのくの斗南いかにと人問はば 神代のままの国と答えよ"
                                      〔 山川 浩 〕
尚之助なぜ、八重たちを連れず、

単身で斗南に向かったのか。

藩士に取り立ててくれた会津藩への恩義を感じつつ、

しかし蘭学者らしい合理的精神で、斗南での苦労を予見し、

当座、かつての弟子で米沢藩士の内藤に

家族を預けたほうが安心と考えたのだろう。

とはいえ酷寒の地・斗南の苦境は、

尚之助の想像さえ、はるかに超えた。

残高も踵のヒビも読み違う  井上一筒

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藩士の餓死の危機を脱するために、

尚之助はデンマーク領事で商人でもあったデュースから

広東米を調達しようとする。

しかし、仲介した日本人貿易商が契約を履行せず、

尚之助はデュースから損害賠償の訴訟を起されてしまった。

藩を巻き込むことを恐れた尚之助は、

すべての罪を一身にかぶり、

東京での司法裁判に臨むのである。

≪八重と離縁したのはこの時と考えられている)

夕刊には小さく美談にされている  山本昌乃
         いんじゅん
佐久は、因循なところが全くなく、八重の受洗に続いて、

明治9年(1879)末にキリスト教の洗礼を受ける。

そして、同志社女学校の舎監を務め、

女子生徒たちに実の祖母のようにやさしく接し、

「山本のおばあさま」 と慕われた。

今日の地図さて何色で塗りましょう  合田瑠美子

みねも、佐久と共に洗礼を受けた。

後に同志社女学校を卒業。

同志社英学校第一回卒業生で横井小楠の長男・横井時雄

明治14年(1881)に結ばれる。

だが明治20年(1887)、長男の平馬を出産後、病死する。

時代の激動に翻弄された山本家。

明治以降の八重たちの歩みの陰には、

一人ひとりのドラマがあったのである。

今日と明日の間を痩せたらくだゆく  森中惠美子

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