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川柳的逍遥 人の世の一家言
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きびきびと小春日和を使いきる  大西泰世

 

        新島旧邸

京都寺町通りに、二人が暮らした屋敷が残っている

明治11年に建てられた。

襄が宣教師に設計を依頼し、

学校の一部や教会としても利用されたという。

「八重と襄の結婚生活」

新島襄八重の結婚生活では、

2歳年下の八重の大らかな人柄が襄を助けた部分も大きかった。

気の短い襄は、少し気に入らないことがあると、

すぐにこめかみに青い筋が立つ。

そんな時は八重が、

「おや、今日は雷でも鳴りそうですね。だいぶ雲行きが悪い」

などと和ませている。

いつからか胸に小鳩を飼っている  三村一子



 八重のオルガン

部屋にはオルガンがあり、学生の賛美歌が響いていたことも予想される。

また襄は、腹に据えかねることを、よく八重に相談した。

すると八重は、

「不平を言うより、お茶でも召し上がったほうがいいでしょう」

などと笑って受け流す。

カチンときた襄が、

「お前は私がこれほど怒っているのに、笑ってしまうということがあるか」

と言うと、八重は、

「あなたが怒っていらっしゃるのに、

  私までがご相伴して怒っては仕方がないではありませんか」

と、のんびり応える。

すると襄も、「それもそうだ」と、つい笑ってしまうのだった。

我が家にも湿布の匂いする忍者  吉道あかね

ただ八重にも強情なところがあった。

明治18年、山本覚馬が京都で迎えた後妻・時栄が、

覚馬に覚えのない子を妊娠してしまう。

覚馬が58歳、時栄が33歳の時のことである。

八重みねは断固許さず、時栄は離縁された。

あくまでも八重は、"ならぬことはならぬ" と考えたのだ。

襄も

「お前の強情は、かねがねお兄さんや槇村さんから聞いていたが、

 こんなにひどいとは思わなかった。

 わたしはとんだしもうたことをした」

と苦笑したという。

三味線にされたらワンと泣いてやる  岩根彰子



【付則】ー「時栄の不貞」

明治18年、山本覚馬の家で「一寸むつかしいこと」ことが起きる。

それは、山本時栄山本覚馬の2人が、

宣教師・グリーン牧師の洗礼を受けて少し後の出来事である。

ある日、妻の時栄が体調を崩したため、

覚馬は医師・ジョン・カッティング・ベリーを自宅へ呼び、

診察してもらうことになたった

診察を終えた医師・ジョン・カッティング・ベリーは帰りかけに、

覚馬に、

「おめでとうございます。妊娠5ヶ月です」 と告げた。

語り部の口 ふくろうが鳴いている  墨作二郎

その言葉を聞いた覚馬は、思わず、「覚えが無い」と驚いたため、

時栄の不貞が発覚した。

覚馬は時栄の罪を許したが、八重は、

「臭い物に蓋をしては行けない。全てを明らかにする」

として、時栄を糾弾した。

結果、八重が時栄を追い出す形となり、

明治19年に離縁に発展する。

熨斗つけてお返ししたい人がいる  新川弘子

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